売上収益223億円を支えた、パートナービジネスの成長
ウイングアーク1stは帳票とBIの2本柱で事業を展開し、クラウドサービスとソフトウェアを提供しているベンダーだ。従業員数10名規模の企業からエンタープライズ企業まで、幅広い規模・業種の企業へサービスを提供している。
「今日は営業職の方々が大勢いらっしゃると思いますが、営業職を支援する“営業ダッシュボード”も提供しています」と中原氏。昨年は売上収益の223億円を達成した同社だが、この過去最高実績を支えたのがパートナービジネスだと言う。
同社が2003年に開始したパートナープログラム「WARP」には、2023年時点で述べ560社のパートナーが加入している。「Empowerment Partner」「Product Partner」「Alliance Partner」と3つのパートナーカテゴリーを設けており、そのうち「Empowerment Partner」は、ウイングアーク1stのプロダクトに付加価値をつけながらエンドユーザーへ提供しているパートナー向けのプログラムだ。グレードが上がるほどメリットを提供するモチベーション設計をしている。この上位グレードのパートナーによる売上が前々対比153%まで成長したことが、前述の成果を支えたのだ。
順調に思えるウイングアーク1stのパートナービジネスだが、現在はどのような課題に取り組んでいるのか。同社は2022年に「20年かけてつくった200億弱の売上を、5年後には1.5倍にする」という中期経営計画を発表し、新しいサービスや新規事業も計画している。当然、同社のビジネスの大きな柱であるパートナービジネスも拡大する必要があるが、そこにはふたつの壁があった。
ひとつが、パートナー企業を担当する営業の人員減少だ。同社の営業組織は直需営業とパートナー営業に分かれているが、新サービスを売る直需営業の組織を強化するため、異動等によって社内のパートナー営業が減ってしまうという問題があった。加えて、パートナー営業のリソースが減る一方でパートナー企業が増え続けた結果、非活性化しているパートナーが増えたことも壁となった。
これらの課題を解決するため、同社は、従来とは異なるアプローチに踏み切った。それが、営業人員に依存しない、データを活用したテックタッチによる支援だ。