「1時間すべてを商談に使わない」 ある女性営業リーダーのタイムマネジメント
──まず、これまでのキャリアと現在のお役割をうかがえますでしょうか。
ファーストキャリアは2019年に新卒で入社した総合広告代理店の営業で、主に求人広告の販売を行っていました。その後、2022年1月にLegalOn Technologiesに入社し、AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」のフィールドセールスを約半年間担当したあと、チームリーダーを3ヵ月ほど務めました。
その後、10月に新規プロジェクトの立ち上げを任されたあと、2023年1月からカスタマーサクセスチームの中にあるアップセル・クロスセルを担当するチームに所属し、現在はプレイングマネージャーとして4人のメンバーをマネジメントしています。
──入社3ヵ月めに、フィールドセールス、カスタマーサクセスに所属するセールスの達成率を競う社内イベントで、新人でいながらも1位を記録したとうかがっております。転職して職場環境も商材も変わる中、早期に結果を出せた秘訣は何だったのでしょう?
もともと「新しいことに取り組むのが好き」という性分なんですよね。大学時代も4年間でアルバイトを10個ほど経験しましたし、新しい環境に適応するのは比較的得意なのだと思います。
当社に入社してからも、「この仕事を覚えたら対応できる仕事の範囲が増える」「これができるようになれば自分の市場価値が上がる」という気持ちで仕事に向き合ってきたため、それが成長につながったのではないかと思います。
──プレイングマネージャーになってからもトップクラスの成績を維持しつつ、残業は月10~20時間程度というのもすごいですね。
「効率的に成果を出す」ことは前職から意識していますね。とくに、当社に入社した当時は直属の上司が必ず18時に帰宅していたため、「業務時間内に終わらせよう」と強く意識するようになりました。
しかし実は、新規プロジェクトを立ち上げる部署に異動したときに残業が80時間を超えてしまったこともあったんです。ちょうど結婚したばかりの時期だったのですが、家事全般は夫に任せてしまい、「働きすぎじゃない?」と言われてしまって。「新婚なのにこれはまずい!」と思いましたね。そんなこともあり、残業を減らすための仕組みづくりに自ら取り組んできました。
──具体的にどのような工夫をしたのですか。
3つあるのですが、ひとつめはタイムマネジメントの「型」をつくることです。フィールドセールスだったころは1時間枠の商談が1日6~8商談ほど入っていたのですが、1時間フルに使っていたら、メール作成やSFAへの入力時間も合わせると確実に残業が発生してしまうんですよね。
そこで「商談に1時間使わない」ことに決めました。つまり1時間の内訳を、商談に「40~45分」、商談後のメール作成に「7分」、SFAへの入力に「3分」、そして次の商談の5分前にはウェブ会議上でお客様を待ちながら、事前に準備したお客様情報を確認する、というふうに「型化」したんです。また、お客様に送るメールの発信の仕方や資料のまとめ方をある程度決めておくことで、顧客対応スピードも上げていきました。
工夫したことのふたつめは、同じような仕事は一気にまとめて行うことです。たとえば、8商談分の事前準備を一気にする、朝の集中できる時間帯にまとめて追客メールを送るなどです。そうするとバラバラに作業を進めるのに比べて、頭を切り替える動作が少なくなり、集中力が長く続くんですよね。
3つめの工夫は、通勤時間をうまく使うことです。とくにロープレ動画などの視聴はデスクに座らなくてもできるため、電車の中で観るようにしていました。もちろん「疲れたな」と思ったら、YouTubeを観たりしますよ(笑)。自分に完璧を求めないことも、取り組みを継続できるコツかもしれません。