SFA/CRM利用者の「約6割」が不満を感じているという事実
「SFA/CRMを導入すれば、顧客データを社内で共有でき、もっと効率良く営業活動ができるはず」
「SFA/CRMを導入することで、属人的な営業活動を脱却できるに違いない」
そう考えてSFA/CRMを導入する方はたくさんいます。実際、SFA/CRMを導入する企業は増加の一途をたどっており、デロイト トーマツ ミック経済研究所が公開している調査によると、日本国内のSFA/CRM市場は、2022年度約4,798億円、毎年平均17.9%で成長し、2026年度には2倍近い9,203億円まで拡大すると予測されています。
導入企業が増加しているということは、当然ですがそれだけ「導入するメリットがある」ということです。SFA/CRMについて感じるメリットポイントはさまざまですが、大まかには次のようなメリットを感じて導入を推進することが多いのではないでしょうか。
- 「自動化」により、営業が本来行うべき業務へ集中できる
SFA/CRMには、活動報告の通知、タスクの抜け漏れ、数値の自動集計、見積書、請求書への自動転記、顧客情報の紐づけなど、事務的な作業を削減し生産性を高める機能が搭載されています。この機能の活用により、情報入力や転記作業の負担がなくなり、売上を向上させるために営業パーソンが行うべき業務に集中することができます。
- 「見える化」を推進し、属人化を防止
SFAに入力された活動計画(スケジュール、商談状況、売上、予材、受失注情報、コミュニケーションなど)が開示されることで、課題検知や対策立案のアクションが早くなります。現状の開示だけでなく、成功事例や失敗談など社内ナレッジをシェアし、生産性向上と同時に社員の学習体制を整えることで人材のマネジメントを促進できます。
- 脱「報・連・相」を実現し、深い戦略立案を実現
自動化と属人化が解消されることにより、現状の把握確認作業が格段に速くなります。その結果、営業組織は現状を考察するための活動、さらにそこから導き出された戦略に対する意思決定をするための活動に時間を使うことができるようになり、顧客中心の製品サービスの提供や、今起こっている組織内の課題について高い解像度を持って戦略の立案と実行を行うことができます。
上記のようなメリットがあることから、SFA/CRMを導入し活用ができれば、企業の業績は格段に良くなると言われています。
しかしその一方で、「SFA/CRM利用者の63.3%もの人が不満を感じている」という事実も存在しているのです。
2021年11月にハンモックが実施した「従業員数300名以上の企業におけるSFA導入」の実態調査においては、SFAを導入したことがある企業の営業管理職の63.3%がSFAの現場活用において課題があると回答しています。
なぜ半数以上もの人が、SFA/CRMのメリットを享受できず、課題を感じているのでしょうか?
次頁からは、SFA/CRM導入後の運用・定着において企業が抱えやすい3つの課題と、それらを解決するための対策を紹介していきます。