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to be ONE TEAM ともに「売上」をつくるマーケティングとセールス

2024年10月16日(水)13:00~17:35

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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セールスパーソンが避けては通れない「営業の型」の話

「型」と「属人的な強さ」を共存させることで、営業組織はもっと強くなる ラクスルの組織論

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「営業の属人化」という課題が浮き彫りになった近年、「型化」や「仕組み化」に取り組む営業組織が増えてきた。一方で、型や仕組みといった“How”の部分とともに、営業の「個の力」も重要だと説くのがラクスルの千葉祐輔さんだ。今回は千葉さんに「型・仕組み」を最大限に活かすために必要な「属人的な強さ」について話をうかがった。

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エンタープライズ営業は「アカウントプランニングの型」が肝

──まず、千葉さまのお役割をうかがえますか。

ラクスルに入社したのは2021年の7月です。執行役員から、エンタープライズ領域で新しい事業を立ち上げる話を聞き、営業組織をつくるところからコミットするかたちでジョインしました。

その後、2021年の10月に法人向け印刷物・販促物発注一元管理サービス「ラクスル エンタープライズ」が立ち上がり、現在セールス・マーケティング責任者を務めています。

「ラクスル エンタープライズ」は、大企業や中堅企業の煩雑な印刷・販促業務を管理統制し、印刷物を一元管理するサービスです。企業はネット印刷を活用できるようになることで、コスト削減や生産性向上を実現することが可能になります。

ラクスル株式会社 Head of Sales&Marketing 千葉祐輔さん

大学卒業後、北海道地図株式会社に入社。株式会社金融ファクシミリ新聞社を経て、2011年より株式会社イーリバースドットコム(現 リバスタ)に勤務。2019年、株式会社ヤプリに入社しセールス・マーケティング本部に在籍。その後、株式会社エス・エム・エスを経て2021年7月にラクスルに入社し、大企業向け印刷・販促管理サービス「ラクスル エンタープライズ」の事業立ち上げに従事。

──ラクスルで営業の「型化」に取り組んでいるとうかがっています。型化の必要性に気づいたきっかけは何だったのでしょうか。

型化の必要性を強く感じたのは、SaaS業界のキャリアを始めたイーリバースドットコム(現 リバスタ)にいたときのことでした。

当時のイーリバースドットコムは、トップの営業メンバーは商談でバンバン売れる一方、売れないメンバーはなかなか売れない、そんな状態でした。要は、チームとしての中央値が悪かったんですね。そこで、「The Model」など型や仕組みに関するワードが流行り出したこともあり、営業の型化に取り組むことになりました。

──型化に取り組むことで、どのような成果が得られましたか。

シンプルに、「救われる」人が多くなったと思います。昔であれば、上位20%の人しか成果を出せないのが営業でした。上位20%が200点を取り続けて、ほかの人は50点しか取れないような世界だったのが、型によって80点をとれるプレイヤーが増えたのは、確実な成果だと思います。

かつての営業組織では、圧倒的なトッププレイヤーが君臨して「売れるから偉い」という雰囲気があった企業も多かったはずです。トッププレイヤーの独裁的な雰囲気が蔓延し組織の空気が悪くなることもあったでしょう。すると優秀なメンバーもトッププレイヤーとの折り合いが悪くなり対人関係のストレスが増え、離職率も高まります。

一方、型・仕組みを生かすには個ではなくチームの視点が必要です。成果が出だすとチーム全体の成功リズムができあがり、ポジティブな空気が伝播していきます。そうすると組織の空気も自然と良くなります。

──現在、ラクスルではどのような点を重視して型化を進めているのでしょうか。

エンタープライズ営業とMM・SMBの営業では、アプローチが違う点は意識しています。たとえば、エンタープライズ営業で重要なのは「アカウントプランニングの型」ですね。大企業の決裁者・チャンピオンのニーズに合う、もしくはインサイトを与えるような商談内容の準備、アカウントマネジメントができているかが鍵を握ります。

当社のエンタープライズ向けの営業組織ではThe Model的な分業をしていません。アカウントエグゼクティブと呼ばれる営業が顧客を担当しているため「分業プロセスの型」がないのです。提案内容をアカウントプランニングとして型化し、商談深耕率をどんどん上げて2回め・3回めの商談へと進めることを重視しています。

一方、MM・SMBのお客様に対しては、個々のプロセスに対してKPIを設定する「分業プロセスの型」をしっかりつくるほうが向いています。具体的には、リードの商談化率がいくらで、成約率も見ながら受注がいくつあるかをプロセスごとに管理して、各パイプラインのボトルネックを特定しています。

──顧客の企業規模によって型も変わってくるのですね。ラクスルのエンタープライズ向けの営業組織では、提案内容をどの程度まで型化しているのでしょうか。

「仮説」を持っていくことを徹底しています。具体的には、お客様の中期経営計画や組織図、プレスリリース情報などを見て、今どんな課題を抱えているかを見ていきます。たとえばSDGsへの課題感があるとわかれば、「ラクスル エンタープライズ」導入によるコストカット以外に、環境配慮の観点からも訴求すれば経営陣の評価も得られるぞ、といった仮説などです。

そもそも、大企業の決裁者・チャンピオンは営業を受け慣れているもの。営業として仮説を持っていないと「何も考えないで商談に来たのか」と思われてしまいます。私は「サイレント失注」と呼んでいるのですが、1回めの商談を取り付けても、その先の2回め商談に続かないケースはどこの会社でも多いんですよね。

シンプルに、「貴重な時間をいただいているのだから、最大限良い提案ができるようにしよう。そのために徹底的に事前に調べよう」という話です。顧客側の担当者の方にも、しっかり準備してきたのか、そうでないかは伝わるものですから。

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「型」に傾倒しすぎた過去も 重要なのは「人対人」の観点

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この記事の著者

SalesZine編集部 宮地真里衣(セールスジンヘンシュウブ ミヤジマリイ)

新卒で営業職を経験したのち、編集プロダクションに転職し雑誌やウェブ広告の編集業務に携わる。2022年11月翔泳社入社。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

鬼頭勇大(キトウ ユウダイ)

 フリーライター・編集者。熱狂的カープファン。ビジネス系書籍編集、健保組合事務職、ビジネス系ウェブメディア副編集長を経て独立。飲食系から働き方、エンタープライズITまでビジネス全般にわたる幅広い領域の取材経験がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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