今回のご質問
テーマ:見込み顧客にとって最適なフォローとは?
一度失注してしまった顧客に対して行うフォローの最適解がわかりません。
販売側の目線では、「思い出してもらえる存在に!」「有益な情報提供を続けて信頼してもらう!」「温度感高めよう!」などの言葉が飛び交います。私自身、購買側に回ることもあるのですが、タイミングの問題や相手のサービスが魅力的ではないことを理由に発注しないことが多く、その場合は1~2ヵ月で状況が大きく変わることもありません。
にもかかわらず、毎週、毎月メールやチャットでナーチャリング連絡が来ても正直返信が面倒なだけです。どちらの立場も経験した上で、 見込み顧客フォローの塩梅は難しいなと感じております。向井さんのお考えをうかがいたいです。
「提案」に至る前に、見放されていないか?
まずは買い手が「魅力的に感じていないから購入しない」「予算やタイミングが合わないため購入しない」のどちらのケースかを理解する必要があります。前者であれば当然、魅力的ではない企業からのフォローはうっとうしいものでしょう。
一方で後者の場合も、毎週・毎月コンタクトする必要はないはずです。お客様から「来年の2~3月であれば予算が用意できると思う」と教えていただければ、「では少し前の1月、年明けはお忙しいでしょうから、1月下旬に私から連絡を差し上げますね」と適切な連絡のタイミングを共有しておけば良いだけです。
いずれにせよ、ご質問いただいたような「ズレ」が売り手と買い手の間に発生してしまう原因は「初回ミーティングの設計」にあるかもしれません。合わせて「失注」という言葉の定義も、組織によって違うのではないでしょうか。
「提案」を経て失注したのであれば、提案の中身やプロセスを見直すべきです。ただ、今回のご質問では、「見込み顧客にとっての最適なフォロー」と「失注」という言葉が並んでいます。そのため、「初回ミーティングから提案に至るまでの間に、お客様に価値や魅力が伝わらず、継続的にフォローをしても振り向いてもらえない」ケースを想定します。
皆さんは初回ミーティングで、「FAB(Feature、Advantage、Benefit)」のベネフィットにまで至らず、自社製品の特徴や他社製品との違い、導入事例など自らを伝えるトークばかりしてしまっていないでしょうか。まずは初回ミーティングの役割を紐解きましょう。