自社データ×Sansanで営業の質をさらに向上
つまり、Sansanは、企業データと接点データが組み合わさった企業データベースというわけだ。一方、「せっかくのデータをSansanの中だけに留まらせておくのは非常にもったいない」とも久永氏は言う。
「おそらく皆様の会社の中には、SFA/CRMやMAツールがあり、さらに言えば各営業担当の頭の中にも顧客情報が蓄積されているはずです。そこでSansanの企業データベースと、それらの自社で管理している顧客管理の情報などを連携することで、顧客の情報や状況をより正確に把握でき、営業アクションの質をさらに向上させることができるわけです」(久永氏)
新規開拓エリアや業界の選定も可能
久永氏は実際にSansanを活用する組織の事例をふたつ紹介した。
ひとつめの組織では、Sansanの導入によってリサーチや引き継ぎ業務をスムーズにしたり、オンラインやオフラインを問わずコミュニケーションの情報を正確に蓄積・可視化できたりする恩恵があったという。
ふたつめの組織では、顧客データを正規化・統合する「Sansan Data Hub」と合わせて活用することで、名刺のデータ化のコストや、クレンジングコストが改善された。たとえば、展示会開催からフォローまでの時間が3分の1に短縮され、データクレンジングにかかる時間も、月間35時間から12時間へ、3分の1に減少した。さらに、マーケティング起点での案件創出額も従来の2.3倍に広がっている。
なお発展的な活用事例として、「名刺分析」機能を使って新規開拓エリアや業界を選定する方法もあるという。
「たとえば、都道府県や業種などで絞り込むことによって、どの市場に注力すべきかが見えてきます。業種別で検索してみると、建設業は他業界に比べてあまり接触できていないことがわかります。いわゆる『白地(しらじ)』がある状況ですね」(久永氏)
さらに建設業に対して、従業員5,000名以上を条件に、企業を抽出するとリストが表示される。標準設定では、名刺交換接点順で表示され、どの企業との接点がもっとも多いのかがわかる。営業担当者はこのような情報をもとに、提案の仮説立てやアクションの実行などのフェーズへと移ることができるのだ。企業の最新動向を確認できたり、上場企業のAI決算分析レポートが自動的に作成されたりする機能も備わっているという。
クラウド名刺管理サービスからビジネスデータベースへと進化するSansanの重要な特徴をおさらいすると、(1)さまざまな顧客接点をデータとして蓄積できる、(2)企業データを標準搭載している、(3)データ自体が常に最新の状態へ更新入りされる、(4)システム連携によりデータの活用シーンを拡大できる──という4点が挙げられる。
久永氏は、「“営業を強くするデータベース”として進化したSansan。新規顧客開拓のみならず、さまざまな企業の営業活動に貢献をしていきたいと考えております」と講演を締めくくった。