MEDIUMは、さまざまな商談を構造化し、AIが受注へのネクストアクションを導き出す新機能「STRIX Agent」の提供を開始した。
開発の背景
MEDIUMは、日本の企業がAI導入を試みながら、現場の生産性向上や売上増といった成果創出が難しい構造的な理由について、次のように考察する。
1.情報のサイロ化(個別最適の限界)
商談ログが担当者ごとに散在し、組織全体で横断的に探索・活用できる仕組みが欠如している。AIが本来持つ、複数の情報をつなぎ、傾向を見出す力を活かせていない。
2.情報の抽象度(解像度不足)
SFA(顧客管理システム)に残される日報は、担当者の主観を通した要約であり、顧客の生の声(一次情報)が削ぎ落とされている。解像度がないデータでは、AIは表面的な示唆しか出せず、実戦で使える勝ち筋を導き出すことができない。
MEDIUMは、この停滞した現状を打破するためにSTRIX Agentを開発した。商談を一言一句書き起こして全量を確保し、営業活動に必要な粒度・観点で解析。ひとつの営業データベースに集約することで、これまでのAIツールでは成し得なかった受注に直結する示唆の提供を可能にした。
特徴
1.同席で初回商談から受注までのすべての定性データを蓄積
STRIXは商談ログのサイロ化を解消するデータベースを持ち、STRIX Agentがデータベースを探索・示唆を出す
STRIXは、初回商談から受注、その後のフォローアップに至るまでの一連の対話を一言一句逃さず書き起こし、営業活動に不可欠な粒度(予算感、決裁フロー、課題の優先度、競合に対する本音など)で多角的に解析。これらを組織で共有されるひとつの統合営業データベースへ自動的に保存する。
これにより、「担当者の異動や不在で過去の経緯がわからない」「数ヵ月前の細かな合意事項が曖昧になる」といった、情報の分断による損失を削減する。現場の入力負荷を排除しながら、組織全体で探索・活用可能な解像度のある定性データベースを構築し、営業活動の全行程を可視化する。
2.「何が起きたか」ではなく「なぜそうなったか」を解明する
一般的な顧客データ分析(CRMなど)は「誰が、いつ、何を買ったか」という事実はわかりますが、STRIX Agentは商談の「対話の構造」を読み解く。
顧客が発した一言一句から、「論理的な懸念点はどこにあったのか」「合意形成のボトルネックは何だったのか」といった文脈を特定する。STRIXデータベースに蓄積された全商談ログを探索し「受注に至らない共通の理由」といった、構造的な課題を言語化する。
3.専門スキルがなくても分析が可能に
高度なデータ分析を使いこなすには、本来SQLなどの専門スキルが必要である。しかし、STRIX Agentでは、「最近の商談の課題をまとめて」「競合他社と比較された際の主な失注要因は?」「お礼メールを作成して」と問いかけるだけで、数千時間のログからインサイトを抽出。情報を探す手間を削減し、AIと一緒に「考える」という、営業担当者の思考パートナーとしての体験を提供する。
国内企業における実績
STRIX Agentは、正式リリースに先駆けて導入された各社において、次のような成果を創出している。
1.国内大手SIer:大規模・複雑化した案件情報のブラックボックス化を解消
数多くのプロジェクトが同時並行する大規模組織において、案件ごとのリスク把握が属人化していたことが課題だった。
- リスク検知の自動化:複数案件を横断してAIがモニタリング。失注の予兆となる顧客の発言を検知し、マネジメント層へ自動通知することで、意思決定サイクルを従来の半分以下に短縮した。
- ナレッジの再利用:過去の膨大な類似案件から、成功に寄与した提案ロジックをAIが自動抽出。目の前の案件を受注するために、「今、何を話すべきか」をサジェストすることで、組織的なナレッジマネジメントを実現した。
2.急成長中のITスタートアップ:営業組織の拡大に伴う教育コストの増大を解消
メンバー急増により、ベテランの勝ちパターンを若手に継承するスピードが追いつかない状況だった。
- 勝ちパターンの構造化:全商談ログから、受注つながる決定的な問いかけや説明の順序をAIが特定。再現性のある営業プレイブックを作成した。
- 教育のセルフサービス化:若手層の商談をAIが自動解析する。マネージャーが同席せずとも、AIが改善ポイントや次回提案内容を具体的にフィードバックすることで、教育工数を削減。早期戦力化により、全社的な受注率の向上を達成した。
3.専門領域特化のコンサルティング企業:長期にわたる検討プロセスでの情報の断絶を解消
過去のヒアリング情報が活用しきれていない課題があった。
- 休眠資産のインテリジェンス化:「まずはためるだけ」というシンプルな運用からスタート。半年前に別担当者がヒアリングしていた微細なニーズをAIが掘り起こし、現在の商談に接続した。
- クロージングの精密化:過去の対話ログをベースに、顧客がもっとも重視している論点をAIが整理。提案内容の正確性が向上しただけでなく、クロージングに向けた具体的な論点化までをAIがサポート。営業担当者の受注率を底上げする強力なブースターとなった。
MEDIUM 代表取締役 関翔太郎氏のコメント
営業担当者が次に何をすべきかを迷う時間を、AIの力でゼロにしたい。そのためには、情報のサイロ化を解消し、解像度の高い一次情報を一つのデータベースに集めることが不可欠でした。
「STRIX Agent」は、営業専用の統合データベースを探索し、受注への最短ルートを指し示すインテリジェンス・エンジンです。私たちはAI活用の先陣を切って日本の営業現場をアップデートし、すべての組織に『営業の科学』を届けてまいります。
AI実装が急務とされる今、「STRIX Agent」は現場の「勘」を「科学」へアップデートします。「AIが次の一手を指し示してくれる」という体験を通じて、営業担当者がより高度で創造的なコミュニケーションに時間を割けるよう、日本の営業スタイルそのものをアップデートしてまいります。
