ネットプロテクションズは、「決済業務に関する実態調査」を実施し、結果を発表した。調査は同社独自のインターネット調査で行われ、期間は2019年2月8日~2月15日、対象は全国の経営者・役員610名。なお、本調査では創業から20年以内の企業を「ベンチャー企業」と定義している。
企業間取引でもっとも使用される決済手段は「現金・請求書払い」で89%に。クレジットカードよりも現金・請求書払いの使用頻度が高い結果に。なお、「わからない」の回答は母数から除かれている。
請求書払い導入のタイミングは「サービス開始時期」がもっとも多くの割合を占めた。続いて「大手企業との取引開始時」や、「取引企業数の増加時」の割合が多く、事業拡大の際には「請求書払い」が必要となることが読みとれる。
また自身で「決済業務」を行ったことがあるかという問いについては、企業全体で見ると60%を超える経営者・役員が決済業務を行ったことがあり、ベンチャー企業に絞ると75%に。ベンチャー企業は、「比較的に社員数が少ないこと」「社会的にバックオフィスの人材確保が難しくなっていること」から、経営者自らが決済業務を行わざるを得ない状況にあると考えられる。
また、「決済業務で大変だったことを教えて下さい」という質問に対しては以下の回答が得られたという(一部抜粋)。
- 「信用取引で入金されず未回収のまま逃げられた」
- 「請求書の発行、封入れに半日かかってしまう」
- 「事務員の急病で請求書制作が停滞してしまった」
- 「一部の客が現金での集金しか受け付けない」
- 「得意先が多すぎて未入金の対応が後手後手になってしまう」
- 「入金確認が取れず、催促電話に一日費やした」
- 「入金されずに担当を夜討ち朝駆けで捕まえて支払わせた」
- 「取引先の都合により、約束の日時より早いイレギュラーな支払いを求められた」
- 「月末に銀行が混んでいて、窓口での振り込みが間に合わなかった」
- 「決済業務関連で残業」
- 「顧客が請求金額を何度も督促しても支払わない時」
経営者・役員の82%が「決済業務の効率化」を重要だと考えており、取引社数が10社を超えたあたりで経営者の半数が決済業務の効率化を重要だと考え始めている。さらに取引先数が100社を超えると経営者の90.6%が決済業務の効率化を意識することがわかった。
効率化の手段としては、業務フロー改善やシステムの一部改善が「決済業務の効率化」が最も多い。本調査で決済業務を「アウトソースする」という回答がいちばん少なかったことから、決済業務のBPOはまだ浸透していないと考えられる。