ユニキャストは、AIチャットボット機能を活用した営業サポートAIシステムが、富士丸産業に導入されたことを発表した。
導入の背景
富士丸産業では水中ポンプに関連した多数の商品を扱っており、顧客からの問い合わせに対して担当者が十分な商品知識をもたない場合、社内関係者へのヒアリングを必要とするため、もっとも適した提案や見積もり提示までに時間を要する状況が課題となっていた。
このようなプロセスでは、属人的なノウハウ保持者への依存度が高まり、リードタイムの延長や機会損失が発生する可能性がある。さらに、関連同業者全体が直面している営業人材不足の長期化も見込まれ、企業競争力を維持するためには組織的にノウハウを蓄積・活用できる仕組みの導入が、富士丸産業では必要だった。
導入の目的・効果
1.ノウハウの共有・蓄積
社内に蓄積された膨大な商品情報や提案事例をデータベース化し、AIチャットボットを通して全社員が一貫性のある情報をスピーディに取得できる。属人的知識を組織の資産へと転換し、長期的な営業人材不足への備えを強化する。
2.AIチャットボットによる商品提案
社員がチャット画面上で問いかけると、AIチャットボットが最新のデータベースを参照して回答・提案を行う。リードタイム短縮による受注率向上と顧客満足度の向上が期待できる。
3.可用性とスケーラビリティ
本システムのアーキテクチャーはクラウド上で拡張が容易に行えるため、事業拡大や製品ラインアップの増加に応じて対応可能になる。
本システムの特徴
1.独自のデータベースを介してAIが回答を生成
- 商品情報・提示事例・関連資料などを一元的にデータベース化
- 社員がチャット画面で商品や業務に関する質問を入力すると、AIチャットボットがデータベースの情報を参照してもっとも適した回答を提供
- 社員がAIチャットボットとの会話履歴を評価、訂正した情報をアップデートすることで、より正確で専門的な情報をデータベースに蓄積し、AIチャットボットの回答精度を高める
2.フォトリアルなアバター「KSIN」の採用

ユーザーインターフェースには、ユニキャストが、円谷フィールズホールディングス傘下のデジタル・フロンティアと共同開発したフォトリアルなアバター「KSIN」(読み:けしん、商標登録)を採用した。
KSINを採用することにより、利用者の心理的ハードルを下げ、「まずはチャットボットに聞いてみる」という習慣をつくりやすく、インタラクションの満足度向上や提示された情報に対する理解度を高める効果が期待できる。
またアバターへのQ&Aをチャットボット上にて繰り返すことにより、「アバターに教え、アバターを育てる」ような感覚で行えるため、社内知見蓄積サイクルの加速も見込んでいる。