長野県信用組合(以下、長野県信組)と富士通、セールスフォース・ジャパン(以下、Salesforce)は、長野県信組の営業支援システムを刷新し、2023年9月末に全店舗への展開を完了、運用を開始した。刷新した営業支援システムは、複数のSalesforce製品をベースに富士通が開発したもので、長野県信組の渉外活動に関する情報を一元管理する。
顧客情報、営業店職員の活動予定と案件管理などのデータを集約するとともに、それらのデータを活用した分析やダッシュボードを生成するほか、ビジネスマッチング、安全性の確保などの機能を付加している。また、営業店職員は外出先からでもタブレットで情報の入力や確認が可能。これにより、長野県信組の営業活動の効率化と高度化を実現し、ペーパーレスによる環境負荷低減にも貢献する。
今後3社は協力し、引き続き長野県の地域経済の支援・貢献に積極的に取り組んでいく予定。
背景
長野県信組は長野県全域に支店を持ち、「地域の魅力をプロデュースし、地域社会の新たな価値創造に尽くします」をパーパス(存在意義)に掲げ、長野県の社会と経済の発展および価値創造への貢献のため地域に密着した金融機関として展開している。生活や社会が大きく変化する中、地域の個人・法人の顧客へのきめ細やかな支援と対応を高度化させるため、既存業務の効率化と変化への柔軟な対応が求められていた。
今回、これまで営業店職員が顧客管理や日報などに活用していたシステムや、紙で運用していた業務を一元的に集約し、データ分析による迅速なフィードバックおよび指導と、電子化による紙運用の削減、またシステムの内製化を推進するため、新たな営業支援システムに刷新した。
長野県信組 営業支援システムの特徴
1. データ集約と電子化による営業活動の効率化、データ分析による営業戦略を支援
顧客の基本情報や口座、与信情報、集金預り管理、営業店職員の活動記録、案件管理などのデータを「Salesforce Financial Services Cloud」を活用した営業支援システムに一元管理する。営業店職員は、外出先からでもタブレットで情報の入力や確認をすることが可能となる。
さらに、顧客からの要望や将来計画などの情報をシステムに集約することで、それらの要望に応えられる別の顧客とのビジネスマッチングにつなげていく予定。 また、集約されたデータをさまざまな切り口での分析やダッシュボードで可視化することにより、適切な指導および人材育成等を支援する。
2. 柔軟かつ安全なシステム基盤により、変化への対応とシステム内製化を推進
「Salesforce Lightning Platform」のローコード基盤により、業務の変化に合わせた新たな機能追加が迅速かつ容易に対応できるほか、長野県信組内で設定変更などを可能にし、システムの内製化を推進する。また今回、長野県信組内の各種システムとも連携し、それらのデータ活用も実現している。さらに「Salesforce Event Monitoring」により、システム内の個別アクティビティに関する情報を詳細に確認でき、データを安全に保護することが可能となる。
3. ペーパーレスによる環境負荷低減への貢献
これまで日報や顧客情報などは帳票を出力するなど、紙により共有してきた。今回、これらの情報もシステム上に集約しダッシュボードなどで可視化したことにより、紙による運用を減少させ、環境負荷低減への貢献と経費削減を実現する。