Sansanは、「Sansan Labs」に、GPTを活用した新機能を追加したことを発表した。「Sansan Labs」では、未来の働き方を体験してもらうための実験的な機能を提供しており、営業DXサービス「Sansan」のユーザーに無料で公開している。
今回、GPTを活用した機能 第2弾として発表した機能は「5分で読める業界動向」と「AI企業検索 -経営方針・経営課題-」。
「5分で読める業界動向」では、GPTが業界内の企業の有価証券報告書から業界の課題や市場環境を抽出する。「AI企業検索 -経営方針・経営課題-」では、特定の経営方針・経営課題を持った企業を検索することができ、営業準備の業務効率化を実現可能にする。
GPT活用機能の開発背景
営業DXサービス「Sansan」内にある「Sansan Labs」は、未来の働き方を体験できる実験的な機能を提供するユーザー向けの分析ツールである。名刺交換データや財務データを活用し、営業活動の効率化や社内コラボレーションの活性化、顧客接点の分析などに役立つ全20機能を公開している。
同社の研究開発部では、昨今、世界的な盛り上がりを見せる生成AI領域においても機能開発を積極的に推進しており、2023年5月にはSansan Labsでは初となるGPTを活用した新機能をリリースした。
今回、Sansanのユーザーコミュニティ「Sansan User Forum」でのヒアリングから多く要望が寄せられた機能を含めたふたつの新機能を実装した。
機能概要
- 5分で読める業界動向
検索したい業界を選択すると、業界内の企業の有価証券報告書から、業界の課題や市場環境に関する内容を抽出し、要約して表示する機能。また、業界内の売上高ランキングを最大10社表示し、Sansan上で企業詳細を確認、さらに「5分で読める有価証券報告書」機能から有価証券報告書の要約を閲覧することが可能。
営業活動におけるターゲット業界の選定や商談前の情報収集では、コーポレートサイトや業界紙で直近の動きを確認したり、検索エンジンで関連ワードを検索したりといった事前準備が重要となるが、本機能を活用することで、業界ごとの外部環境や課題、見通しをすぐに把握することができ、営業準備の業務効率化を実現可能にする。
- AI企業検索 -経営方針・経営課題-
特定の経営方針・経営課題を持った企業を検索する機能。たとえば「SDGsに注力している企業」や「DXを推進する製造業の企業」と入力すると、GPTが有価証券報告書の内容を分析・検索して該当の記述がある企業をリストアップする。
通常、自社の製品・サービスを売り込むために、潜在顧客にヒアリングを行って課題を抽出したり、ウェブサイトなどの公開情報から顧客課題を分析したりしようとすると時間と手間がかかる。本機能では、有価証券報告書の内容をGPTが分析することで、自社の製品・サービスと適合する経営方針・経営課題を持つ企業のリストが容易に作成できる。これにより、営業戦略を精緻化するとともに、営業アプローチのためのリスト作成にかかる工数削減が期待できる。
※上記ふたつの機能はマイクロソフト社が提供するAzure OpenAI Serviceを利用している。
「Sansan」について
Sansanは、名刺やメールの署名、ウェブフォームの入力内容といった顧客との接点から得られる情報を正確にデータ化し、やりとりの回数を含めた接点情報の一元管理を可能にする営業DXサービス。100万件以上の企業情報をあらかじめ搭載し、企業の業種や従業員規模、売上高、役職者情報といったあらゆる顧客に関する情報を営業やマーケティング活動に活用できる。