2023年8月31日(ニューヨーク州アーモンクおよびサンフランシスコ現地時間)、IBMと米国セールスフォース社(以下、Salesforce)は、世界のさまざまな業種の企業がCRM(顧客関係管理)へのAI導入を加速できるよう支援するための協業を発表した。
両社は共同で顧客企業の顧客、パートナー、社員のエクスペリエンスに革新をもたらすと同時に、データ保護も支援する。
IBM ConsultingとSalesforceは、両社共通の顧客企業とともに、生成AIによるビジネス変革の加速を支援している。顧客は現在、次の項目にアクセスできる。
・AIテクノロジーの導入推進
IBM Consultingは、ビジネス変革のためのオペレーティング・モデルであるIBM Garageメソッドを含む、業界の専門知識と革新的なデリバリー・モデルを活用し、AIテクノロジーの導入と展開を支援する。このアプローチは、Einstein、Sales Cloud、Service Cloud、Marketing CloudとSlackを含むSalesforceのAIテクノロジー全体の効率的な統合を促すよう設計されている。
・データと洞察の統合
Salesforceの生成AIツールの効果的な導入支援に加え、IBM Consultingは、オープン・スタンダードを採用したエンタープライズ向けのAIとデータのプラットフォームであるIBM watsonxによりこれらのソリューションを補完する。watsonxは、バックエンド・システムにロックインされたデータを明らかにし、ユーザーと社員のダイナミックなエクスペリエンス創造を支援する。
・デリバリーによる価値の加速
IBM Consulting Managed Services for Salesforceを通じて、両社共通の顧客企業はAIエクスペリエンスと実装アクセラレーター一式を利用できるようになる。このデリバリーと管理モデルは、企業がSalesforceを導入、拡張、強化できるように設計されている。たとえばIBM Data Classifierは、業界固有のデータ・モデルに基づいて学習されたAI搭載アプリケーションで、データ・マッピング・プロセスの短縮を支援する。
IBM Consulting生成AI担当グローバル・マネージング・パートナーのマット・キャンディ(Matt Candy)は、「社員の生産性向上と同時に、スピード、パーソナライゼーション、利便性によって顧客体験を高めたいというニーズが、飛躍的に高まっています。私たちは、Salesforceとの協業を通じて、企業がビジネス・ニーズを満たすための助けとなる生成AIの導入を拡大し、加速できるよう支援します」と述べている。
・多様なAIパートナー・エコシステムとの連携
IBM Consultingは、オープンかつ協力的なアプローチにより多様なAIパートナー・エコシステムと密に連携し、業界リーダーによる複数のクラウド上の複数のモデルを取り入れた生成AIソリューションの計画、構築、実装、運用を行っている。このオープンなエコシステム・アプローチは、顧客が適切なモデルと適切なアーキテクチャーを定義し、期待する成果の実現を支援する。
・IBMのAIをSalesforceのAIで変革する
IBMは、Salesforce、Slack、IBM watsonxを通じて生成AIを活用し、360度のカスタマー・エクスペリエンスを実現する自らの変革に踏み出した。IBMの顧客向けサービスと営業のチームは、顧客企業の進捗を全体的に把握することができる。世界中のチームがひとつのプラットフォーム上で協力し連携することで、顧客の状況に合わせて迅速かつデータ主導のエンゲージメントを提供することができる。IBMは、SalesforceのオープンAPIアーキテクチャーを利用して、IBM Watson AssistantをSalesforce Customer 360に組み込んだ。
Salesforce グローバル・アライアンスチャネル担当 EVP兼ゼネラル・マネージャーのスティーブ・コーフィルド(Steve Corfield)は、「企業は生成AIに加速される変革への道を歩み始めています。IBM ConsultingのようなSalesforceのパートナーは、企業がSalesforceのAI、データ、CRMテクノロジーを活用して、顧客と新たなレベルでつながることを支援する上で重要な役割を果たします。SalesforceとIBMのイノベーションを組み合わせることで、企業がパーソナライズされた魅力的な体験を提供する方法を変革することができます」と述べている。