広島市と日本IBMは、地域のDX推進や雇用の創出および企業誘致活動の促進を図るための連携協定を締結したことを発表した。これにともない日本IBMは、顧客や地域の協力会社、地方自治体との共創を通じてDXを推進する拠点となる「IBM地域DXセンター」を2023年5月に広島県広島市に新設する予定。
同センターは、先進的なテクノロジーや手法の活用によりシステム開発と運用を高度化し、地域のDX推進へ貢献する。さらに、地域の企業やスタートアップ、大学の産官学で“デジタル人材の育成やイノベーション創出”に取り組む拠点としても機能するほか、広島市への企業誘致等の中核として地域経済にも貢献していく。
自動車を中心とした輸送用機械などの製造業が発展し、「ものづくり産業」のまちとして知られている広島市は、持続可能なまちづくりを進めていくため、市全体でDXを推進していくことを目指している。
一方、日本IBMのグループ会社である日本アイ・ビー・エム デジタルサービス(以下、IJDS)は、広島市において、自動車業界の業務知識と経験をベースとした基幹業務システムの開発・運用・保守や、最新のCASE対応ソリューションを含むさまざまなITサービスを提供してきた。
このような背景から広島市と日本IBMは、地域のDXの推進や人材育成を軸に地域の発展を目指す連携協定を締結した。地域の大学等と連携したデジタル人材の育成と、地域課題の解決などに関する取り組みへの検討を進め、多様な市民が生き生きと暮らせるまちづくりに貢献していく。
またDX人材の育成においては、広島県内の大学や教育機関、企業、技術者コミュニティーと連携し「地域共創DXワークショップ」を展開していく予定。DXの基礎から実践に必要なスキルなどを、IBM地域DXセンターの運営主体となるIJDSの実務担当者とのディスカッションを通じて学ぶ機会を提供する。IBMが展開する社会貢献プログラム「IBM SkillsBuild」の広島市域における活用を共同で検討していく。
さらにIJDSでは、シニア層を含むITエンジニアの経験者採用枠を拡大。フルリモートの勤務体系に加え、年次の雇用契約により最大65歳まで働ける人事制度を導入する。Uターン・Iターンの促進やフレキシブルに働くことができる環境の整備により、雇用の創出と地域活性化に取り組んでいく。