独立系ITコンサルティング・調査会社であるアイ・ティ・アール(ITR)は、国内の電子契約サービス市場規模推移および予測を発表した。
電子契約サービス市場の2020年度の売上金額は100億7,000万円、前年度比72.7%増と、前年度に続いて高成長を維持。2021年度も同75.0%増の176億2,000万円と、2020年度を上回る高い伸びを予測している。
電子契約サービスは、事務作業時間の短縮、契約締結にかかるリードタイムの短縮、事務経費コストや印紙税の削減などを支援するサービス。また、2020年6月に内閣府、法務省、経済産業省が契約書への押印不要の見解を示したことで、昨年来のコロナ禍を機に、パンデミックや自然災害時にも契約締結を可能とする事業継続の観点から電子契約サービスの導入が加速している。
一方、DXの推進に取り組んでいる企業においても、ペーパレス化や事務作業の効率化などから電子契約サービスを導入する動きが拡大。また、DXの一環として、同サービスの導入に向けた実証実験を開始している自治体も増加している。そのため、電子契約は、DX推進を後押しするソリューションにもなっているという。
こうした動きに呼応して同市場の参入ベンダーが増加しており、今後も好調な伸びが期待されることから、同市場のCAGR(2020~2025年度)は34.3%、2025年度には440億円に達すると予測される。