優先度に基づいた「検証フェーズ」の設計
全体像が見えたら、次は具体的な検証フェーズを設計します。重要なのは、優先度に従って上から順に検証し、NGが出た時点で立ち止まることです。

フェーズ1:致命的要因の検証
最初のフェーズは、図表における「優先度:高」の項目をすべて検証します。一般的な課題の有無に加えて、「業界慣習に適合するか」「法務基準を満たせるか」といった顧客側の導入ハードルも確認します。
検証対象:業界慣習・商流/法務・セキュリティ基準/顧客の実在/課題の深刻度
アクション例:プロダクトの導入意向の確認をする前に、相手の購買ルールや導入の壁を確認します。「仮に導入するとしたら、セキュリティ審査や契約手続きでハードルになりそうな点はありますか」と仮定の質問をして、見えない障壁をあぶり出します。
判断基準:ここでNGが出れば、即座にターゲットセグメントを変更するか、ピボットを行います。
フェーズ2:ソリューション価値の検証
フェーズ1をクリアして初めて、「優先度:中」へ移行します。ここでは、解決策(ソリューション)の価値と、自社の強みが活きるかを問います。
検証対象:解決策として適切か/自社アセットとの適合
アクション例:プロトタイプと合わせ、利用意向書のような合意形成を打診します。「この機能・価格なら、来期の予算申請に入れてもらえますか」と問いかけ、相手の本気度を確かめます。
判断基準:「欲しい」という言葉ではなく、上長同席の約束など、次のステップへのコミットメントが得られるかを確認します。
フェーズ3:市場適合と再現性の検証
実際に受注が出始めた後、市場への拡大(PMF)を目指し、スケールに備えます。
検証対象:市場拡大性/LTVとCACのバランス
アクション例:エース人材以外のメンバーでも商談が成立するよう、営業資料やトークを型化し、「誰が売っても一定の成果が出る(再現性がある)」状態をつくれるかを検証します。
このようにフェーズ1~3の手順で進めることが重要ですが、多くの失敗例では、商流などの足切り条件を飛ばして、いきなり機能や価格の話をしてしまいます。その結果、商談の終盤になって「実はウチの会社、クラウド禁止なんです」と言われ、これまでの努力が無駄になってしまうのです。
ターゲット市場全体がそうである場合と、一部の企業だけの固有事情である場合がありますが、「そもそもこのセグメントはクラウドNGの企業が多いのか」といった構造的なリスクを早期に察知できなければ、ターゲット選定そのものを誤ったまま進むことになります。
【検証フェーズの設計のポイント】
[×] すべての項目を同時に検証しようとする
[○] 「致命的な要因(商流・法務・必須課題)」から順に検証し、NGなら即座にターゲット変更かピボットを行う
