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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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SalesZien Day 2025 Winter

2025年1月28日(火)13:00~18:20

エンタープライズ採用戦略の真髄

[新連載]トップセールスがコミット! エンタープライズセールスにおける“本気の採用”とは

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トップセールスを採用する「Top Gun Project」立ち上げ

「Top Gun Project」は、トップフィールドセールス内定承諾を目標としたプロジェクトです。このプロジェクトは、Airbnb、Uberなど、グローバルで成功したスタートアップの成功事例を踏まえ、立ち上げました。

 とくに、Airbnbの「現役の営業トップ社員が広告塔として候補者に接触し、直接魅力を語る」といった手法や、Uberの“最短一週間”と言われる選考プロセスの短縮などをベンチマークしています。

 このプロジェクトの最大の特徴は、CEOを責任者とし、トップセールスで構成されたチームが主体となって実行する点です。HRはディレクターとしてサポートに徹し、スカウト、エージェントアプローチ、候補者別のアカウントプラン作成、会食など、すべての工程をトップセールスとCEOが担当します。

 実行プランは4ヵ月での内定承諾を目標とし、次のようにフェーズを整理しています。

 4ヵ月での内定承諾を目標に、フェーズごとにアクションプランを策定し、実行。トップセールスたちは、通常業務と並行しながら、工数の2割を採用活動にコミットしています。

 この高いコミットメントを可能にしたのは、創業期から「自分たちの船を自分たちで大きくする」という思想のもと、全社員が採用活動に積極的に参加する文化です。

ターゲティングと人材要件の言語化

 次に進めたのが、次の3つのプロセスです。

1.ターゲット層の明確化

2.求めるスキル・経験・実績の洗い出し

3.自社の強み・魅力を言語化

1.ターゲット層の明確化

 当社の場合は、プロダクトやカウンターパートの性質上、外資ITセールスとの相性が良いため、外資IT企業のセールスを中心にターゲティングしています。具体的には、セールスフォース・ジャパン、日本マイクロソフト、SAP、日本オラクルなどの企業が対象となります。

2.求めるスキル・経験・実績の洗い出し

 次に行ったのは採用要件の設定です。トップセールスの採用を行うために、スキル・経験を次のように設定しました。

  • 年間予算としてACVベースで1億円以上の予算を持っていること
  • 商材の販売単価が1,000万円(年間)以上になる案件の担当経験
  • 新規開拓(案件割合として新規50%以上)からクロージングまで一気通貫のセール経験と連続した(チームと個人いずれも)連続目標達成のご経験
  • SaaSセールスの経験

 これらの経験を評価するために、ARR目標達成率、契約数/月、平均契約単価、新規開拓の実績、業界知識 などの評価項目を設定しています。

3.自社の強み・魅力を言語化

 次に行ったのが、自社の強み・魅力を言語化することです。スタートアップでは、年収・福利厚生・プロダクトや企業自体の知名度・予算……多くのものが大手企業に劣ります

 しかし、これらの劣ったポイントから目を背けて「お願いできます、うちに来てください」とお願いしても、候補者にとって魅力的に映ることはありません。だからこそ、「大手企業にはない、自社だけが持てる強み・魅力」の引き出しを多く持つことは重要です。

 実際候補者の方と接する際には個別のアカウントプランを作成するため、アピールポイントは個別に変化しますが、当社の場合は次の3点が強みと考えています。

1.顧客の課題に徹底的に向き合うカスタマーサクセスの思想

2.縦横斜めに広がるキャリアオポチュニティ

3.トップセールスが最大の恩恵を受けられる報酬制度

1.顧客の課題に徹底的に向き合うカスタマーサクセスの思想

 当社はビジネス・開発の距離感が近いことが特徴です。セールス・カスタマーサクセスから開発サイドに要望をエスカレーションする仕組みを構築しているほか、PdMやエンジニアがお客様を訪問するなど、それぞれが顧客理解とプロダクトの進化・改善に向き合っています。

Slackでは、カスタマーサクセスがお客様からいただいた要望を開発と共有するチャンネルを運用

 採用ターゲットにおいている外資系ITに勤務している方の中には、海外に本社があり、日本国内のお客様の要望がプロダクトになかなか反映されないことをペインに感じている方も一定数います。そこで当社のカルチャーをポジティブに捉えていただいています。

2.縦横斜めに広がるキャリアオパチュニティ

 当社は2024年7月末にシリーズBで資金調達を実施し、2027年のマルチプロダクト戦略への注力、プロダクト・サービス数を2年で10のペースで立ち上げ、それに伴う採用の強化などの方針を発表しました。

 こうした新規事業の立ち上げや、組織の急成長により縦横斜めにポジションが広がっていきます。たとえば、中期的に次のようなポジションを提示することが可能です

  • プロダクト別・インダストリー別などの営業責任者
  • 事業部門のマネージャー、役員
  • 新規事業責任者

 採用した外資系・日系大手のセールス出身者の中には、「セールスという役割のみでキャリアを重ねていくことへの不安」を抱えて転職を決めたメンバーもいます。急成長に伴う役割の拡張性は、スタートアップにおける重要な差別化ポイントになると言えます。

3.トップセールスが最大の恩恵を受けられる報酬制度

 当社では、フィールドセールスの報酬制度として、OTE制度を導入しています(On-Target Earnings:目標達成率100%時の提示年収)。OTEはSalesforceなどの外資系企業では非常に合理的な制度であるとされ、一般的な報酬形態です。

 売れる人が圧倒的に評価される制度によって、「どうすれば達成できるかを日々考える、自立的に進化するプロセス」が生まれるのではないかという期待から導入を決断しました。

 こうした報酬制度の差別化により、結果的に「これまでの経験に自信を持っている」「人生を変えるような大きなチャレンジがしたい」といった優秀なセールスが集まる環境ができています(本制度については、今後の連載でさらに詳しく解説します)。

 一方でどのポイントが候補者にとって魅力的に映るかは話してみなければわかりません。そのため、候補者の方とお話しする際には個別にカスタマイズした資料を用意してお話ししています。

次のページ
採用チャネルとアプローチ方法

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この記事の著者

株式会社ログラス Biz採用室 マネージャー 大沼拓人(オオヌマ タクト)

大学を卒業後、株式会社マイナビのセールスとして中途採用支援に従事した後、freee株式会社にジョインし、SaaS商材のセールスを経験したのち、中途リクルーターとしてIPO前後の組織成長を推進。その後、Vertical SaaSスタートアップのイタンジ株式会社にジョイン。人事責任者として、採用やチーム...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://saleszine.jp/article/detail/7040 2025/04/16 07:00

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