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2025年1月28日(火)13:00~18:20

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エンタープライズセールスにまつわる誤解とは? 育成・組織づくり・KPIマネジメントのポイント

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実行のための適切なKPI設定・マネジメント手法

宮田 目標達成のための土台に組織の心理的安全性やコアバリューという土台が必要なんですね。しかし数字に追われる中でその土台が崩れやすくなってしまう部分もあるのが営業組織だと思っていて、適切なKPIをどうつくり、マネジメントすべきでしょうか。

佐藤 営業組織だけのKPIではなく、バリューチェーン全体、マーケティングからインサイドセールス、デリバリーチームや営業、SE、チャネルチーム、カスタマーサクセス……全体で一貫性のあるKPIを連動させることが重要です。

 たとえば、ひとくちに営業組織と言っても、エンタープライズセールスチームの困りごと、コマーシャルチームの困りごと、金融業界に特化したチームの困りごとは、顧客の状態が違う以上、それぞれ違うんですよね。そこで、各セグメントのオーナーとなる営業マネージャーが、期が始まる前にバリューチェーンにかかわるメンバーを集めて、困っていることを開示します。そうすることで、各部門が営業チームに対してどう貢献できそうかを考えられる。それらを集約したうえで、それぞれが追いかけるべきKPIを合意し、1年間走っていきます。

 これによって、お互いに納得感がありつつ、うまくいかなかった際には一緒に原因を探り、助け合うかたちがここ1~2年はとくにうまく回り始めていますね。

宮田 到達できない、リカバリーできないKPIではなく、それぞれのKPIが達成されていないときに、どこを修正するべきか仮説が立てられるような設計にするイメージですね。

遠藤 まさにKPIはどうつくるかがとても大切です。そして、どの数字を追いかけることで、売上が上がるのかという「KSF(Key Success Factor:重要成功要因)」が何かを考え続けることが求められます。たとえば、週に10件お客様との商談を行うというKPIはわかりやすいですが、10件商談をすることがKSFではないはずです。

 Tableau時代はマネージャーである私も当然考えを巡らせ続けていましたが、現場のメンバーからも「遠藤さん、週に10件の商談よりも、この指標を追ったほうが数字につながるんじゃないですか」と提案をしてくれるケースが多々ありました。とくに最初のうちは試行錯誤の繰り返しで、何が正しい指標かわからないこともある。KSFは何かと柔軟に考え続けられる人が上にいると、良いチームになれるのではないかと感じます。

エンタープライズセールスの面白さ

宮田 問答無用に達成しなければならないKPIではなく、改善可能なKPI、そんな仕組みを用意できると素敵ですね。お時間も迫ってまいりました。最後におふたりからエンタープライズセールスのマネジメントに挑む皆さんにメッセージをお願いします。

佐藤 エンタープライズセールスというお題でこのような機会をいただきましたが、本当に誰もが悩んでいるテーマです。ぜひこれからも一緒に悩み続けていきましょう。コミュニティなどもできるようになってきたので、どんどん情報を集めていくと良いと思いますし、私も参加していこうと思いますので、どうぞこれからもよろしくお願いします。

遠藤 外資では営業部長がほかの会社に異動すると、それだけで製品が売れるなんて言われることもあるのですが、私はそうはいかなかったんですよね。キャリアの初めに私がやっていたのはエンタープライズセールスではなかったんだなと、いま振り返ると思います。

 いまの自分に起きている変化は何かと突き詰めて考えると、エンタープライズセールスの勝ち筋だけではなく、会社や製品をきちんと愛して提案し続けたことが、顧客やメンバーとの信頼関係につながったのかなと感じています。エンタープライズセールスに取り組む中で人間としても大きく成長できる。そんな面白みがありますから、引き続きここにどっぷりと浸かっていきたいですし、皆さんもまたお知恵を貸してください。

宮田 エンタープライズセールスの、しかもマネジメントに関する情報はまだまだ多くないと思うので、今日をきっかけにお互いに知見を共有しあっていけるとうれしいです。本日はありがとうございました!

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SalesZine編集部 宮田華江(セールスジンヘンシュウブ ミヤタハナエ)

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