持続的な収益成長を実現 国内外で注目が高まる「RevOps」とは
セッションの冒頭で川上氏は、RevOps(レブオプス、レベニューオペレーションの略)の基本的な考え方を解説した。
RevOpsとは、持続的な収益成長を実現するため、レベニュー組織の協業を戦略や戦術面で強化し、生産性を向上させる方法論や役割のことを指す。営業やマーケティング、カスタマーサクセスという「レベニュー組織」の活動が測定可能・実行可能・再現可能であることが求められる中で、それらを戦略・戦術面からサポートするとして国内外で注目されている。

株式会社マルケト(現アドビ株式会社)でインサイドセールス部・ゼネラルビジネス営業部を統括し、企業の営業組織改革・プロセス改善・マーケティングオートメーションによるデジタルシフト、スタートアップにおけるテクノロジーを活用した組織構築を支援。株式会社みずほ銀行、株式会社リクルート及び外資系IT企業での10年超の法人営業経験、トップセールス・最優秀社員として国内外において多数の表彰実績を持つセールスモデル実践経験、マネジメントとしての事業成長牽引の経験を持つ。2022年エンハンプ株式会社を設立し代表取締役に就任、2022年11月にゼロワングロース株式会社取締役に就任。著書に『レベニューオペレーション(RevOps)の教科書 部門間のデータ連携を図り収益を最大化する米国発の新常識』(MarkeZine BOOKS)がある。
RevOpsへの注目が高まっている背景として、川上氏は、デジタルの進化による購買プロセスの複雑化を挙げた。情報収集や購買の手法が多様化・複雑化したことで営業はバイヤージャーニーの主導権を失い、これまでの直線的な営業プロセスでは十分な成果が得られなくなっているのだ。
このような状況で企業が競合優位性を保ちながら顧客へアプローチするには、顧客とのタッチポイント1つひとつをミクロに見るのではなく、レベニュープロセスの全体をとらえて意思決定していかなければならない。しかし、部門やプロセスがサイロ化しているとデータの分断が起こり、全体像を把握できなくなる。

そこでRevOpsが効果を発揮する。RevOpsを取り入れることでサイロ化が解消され、レベニュー組織の生産性向上と顧客への一貫した価値提供が可能になるのだ。ボストン・コンサルティング・グループが2020年に発表したレポート『Revving Up Go-to-Market Operations in B2B』によると、RevOpsは次のような効果がある。
- デジタルマーケティングのROIが100%〜200%向上
- 営業生産性が10〜20%向上
- リードの受注率が10%向上
- 社内顧客(社内のレベニュー部門)の満足度が15〜20%向上
- GTM(Go-To-Market)費用が30%削減
まだまだ成長中の概念と言えるRevOpsだが、概念の広がりとともにRevOpsの構成要素は確立されてきている。川上氏は、RevOpsを構成する4つの要素を解説した。
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