マイルストーンを再設計して、スリップや失注のリスクを回避
続いて石野氏は、セールスステージの整理を整理する中での「マイルストーンの再設計」について紹介した。
セールスステージを整理すると「ステージがなかなか進まない」「苦手なステージがある」といった営業担当者の行動が可視化される。そこでマイルストーンを再設計することで、ステージを進めるにはどのようなマイルストーンをクリアしなければならないかが明確になる。またそれだけではなく、マイルストーンを踏まずにステージが進んでしまった際のリスクを排除するチェックポイントとして機能するようになり、スリップや失注、「実は提案が刺さっていなかった」といった状況が改善されてきたという。
この話を受けて川上氏は、データドリブンなフォーキャストへの取り組みとしてのマイルストーンの再設計により受注可能性が高まることで、結果としてSalesforceへ入力するインセンティブを生み出していると指摘。さらにエンハンプが提供する「セールスプレイブックの策定支援」について、購買者マインドやセールスステージ、マイルストーンを進めるための武器などについて、包括的に整理できると紹介した。
ミーティングの頻度・目的を明確化し、営業活動の“リズム”をつくる
レベニュー組織間のフィードバックループは、システムだけに頼るのではなく、コミュニケーションをプランニングしていくことも不可欠だ。そのためには、営業に関するミーティングを意図をもって形成していくことが重要であるとして、石野氏が実際に取り組む「ミーティングケイデンス(頻度)」を紹介した。
クリエイティブサーベイでは四半期を13週に分けて考え、フォーキャストとパイプラインに関するミーティングを実施している。これらのミーティングは「昨四半期のトレンド分析やビジネスレビューは四半期に1回」「今四半期のチャーン予測は月に1回」「当月・翌月のフォーキャストは週に1回」など、ビジネスごとのセールスサイクルに合わせて適切な頻度を設定。また、すべてのミーティングについて「どのダッシュボードを見て、どんな会話をし、何を決めなければいけないか」まで定義している。
ミーティングケイデンスを明確に定めることで、リズム良く営業活動を行えるようになったと石野氏。加えてフォーキャストの見通しが立ちリスクを事前に検知できることで、営業部門の採用計画まで含めた意思決定のスピードがあがったという。
最後に石野氏は「この1年、フォーキャストマネジメントに取り組むことで、営業としてのアートの要素はあるが営業マネジメントはサイエンスであり、仕組み化していけることを実感をもって学んだ。一方で、テクノロジーの活用が重要であることは間違いないが、それだけで解決することはない。ビジネス要件に対してオペレーションモデルをつくり、いかに実行していくかが肝心。これは営業プロセスにかかわるあらゆることに同じことが言える」と話し、セッションを締めくくった。
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