どのようにイネーブルメントをすすめるべきか(How)
「セールスイネーブルメント」によって、顧客や営業戦略の変化に対応することはもちろん、本記事で論じていきたいところですが、もうひとつの手段として「組織編制や役割分担で解決する」という選択肢も忘れてはなりません。
これらを「役割設計」と表現しますが、ふたつの選択肢の特徴は次のようになります。
- セールスイネーブルメントでの対策
方向性:仕組みで解決
メリット:仕組みや人材の中に知見が残るため、中長期的に安定した課題解決につながる
デメリット:打ち手によっては課題解決までに時間がかかる
- 役割設計での対策
方向性:人で解決
メリット:役割を絞って分担することにより短期的な実行力が上がる
デメリット:個人の評価や意志の観点からも途中変更の難しさが生じる
どのようにイネーブルメントをすすめるべきか(イネーブルメントの方法)
それでは、「セールスイネーブルメント」を手段として営業の変化に対応する場合、具体的にどのような打ち手が考えられるかを見ていきましょう。
営業1人ひとりの行動を変えるには、手法や仕組みだけではなく意識から統一していく必要があります。「このような営業に慣れているから」「今まではこういうやり方だったから」という営業組織の意識を捉えながら、具体的な手法やツールを営業組織に向けて整えることが大切です。
※仕組みと営業現場の意識(主体性)の両輪を回すという観点については、第2回の記事ご参照いただければと思います。
前回記事
大きな方向性として、営業の役割は案件を「創る」こと、案件を「進める」ことにあります。この「創る」「進める」に対して仕組みを整備して現場で推進していくことは大切ですが、前提となる戦い方(ゲームプラン)の変化と認識共有が同じくらい重要となります。
まずは、もっとも重要な「戦い方」について整理していきます。