子育てとの両立、キャリアプランへの不安を共有できる場所を
──女性営業が活躍しやすい環境構築や、その支援を目的に立ち上げた「SWAN」ですが、おふたりはどのような役割を担っているのでしょうか。社内での業務内容も交えてお聞かせください。
安田 Salesforceには、大きく分けて中堅中小とエンタープライズ、それぞれのお客様を対象にした営業部門があります。私はそのうち、中堅中小のお客様を担当する営業部門の責任者を務めています。私はSWANでは「エグゼクティブアドバイザー」として、主にシニアリーダーシップのメンバーを代表して、営業部門全体での取り組みを先導する役割です。
内山 私はエンタープライズのお客様を対象とした営業部門で、公共や文教、NPOといったお客様を担当する組織のマネージャーを務めています。SWANでは、数多く参加しているマネージャー層のひとりとして、男性マネージャーも交えた変革のプランニングや、実際に取り組みを行うチームにいます。
──SWANを立ち上げる前、社内にはどのような課題や声があったのでしょうか。
内山 まず大きなものとして挙げられるのは、多くの従業員が女性の営業担当者のニーズや希望を深く理解できていなったことです。現場では日々お客様と向き合うことに全力投球で、ジェンダーに関する話をする機会はとても少なかった印象です。しかし、会社としてもっと課題を掘り下げ、効果的な施策を考える必要があると考え、SWANの立ち上げにつながりました。当時の上司からは「マネージャー層が積極的に、より働きやすくするための環境を整備することで、女性営業を増やせるような職場にしよう」と声をかけられたことを覚えています。
加えて、エンプロイーサクセスチーム(当社の人事チーム)が女性営業に対してアンケートをとったところ、女性の多くが子育てと仕事の両立や自身のキャリアプランに不安を抱えていることがわかりました。そこで、女性営業担当同士をつなげて、みんなが感じているものを発散したり、解決したりする場ができないかと考えたのも、SWANを開始した理由です。
──もともと活躍している女性が多いイメージを持っていました。
安田 活躍している女性は、多い会社だと思います。ただ、コロナ禍を経て働き方に対する価値観が変わったこともあり、徐々にプライベートとパフォーマンスを両立するのに苦戦する人が増えてきた印象があります。私自身、当時はセールス・イネーブルメントのチームにいたのですが、人は自分だけで成長するものではありません。会社としても長期的な視点を持って働きやすい環境をアップデートし続ける必要性を感じていました。