育休から復帰した従業員が「より働きやすくなった」と感じる背景とは
──2024年2月の立ち上げからまだ間もないとも言えるSWANですが、現在はどのような取り組みを進めているのでしょうか。
内山 まず、マネージャー層が意識改革をして、現在の環境を認識し、どう変わっていくかを考える必要性があると私たちは考えています。外部から講師を招き、「誰もが働きやすい環境とはどのようなものか」「多様性の理解に必要な姿勢はどのようなものなのか」「自分たちは何をしていくべきか」というようなテーマへの理解を深めるセッションを準備中です。そのほか、アンコンシャスバイアスに関するセッションなども予定しています。
マネージャーだけでなく、営業担当者に対するキャリア構築の支援も企画中です。外部でマネージャーとして活躍している女性をお呼びし、当社の営業担当者やリーダー層とパネルディスカッションする形式を想定しています。
──徐々にさまざまな取り組みが始まる中で、社内から何か反響はありましたか。
安田 こうした取り組みを実施する機会はこれまで少なかったのですが、最近は取り組みも活発化すると共に、このようなSWANの取り組みの重要性を私のほうからも発信しているので、従業員にもより伝わっていると思いますし、理解度も高まっているはずです。この数ヵ月ほど、私のチームに産休・育休から営業に復帰する従業員が数名いたのですが、コミュニケーション量を増やしたことで「より働きやすくなったと感じる」「安心感がある」といった声も挙がっています。
安田 育休からの復帰後、家庭の事情などでほかのメンバーにアポを代わってもらうことを心苦しく感じてしまう従業員もいます。しかし、当社のカルチャーとしてそのような事情に対し、何ができるかをチームで考えます。
マネージャーとしては、むしろメンバーへ「チームを頼って」と伝えています。誰かを頼るのは最上級の信頼です。社内でも本音でやりとりをすることが、互いの信頼関係を深め、心理的安全性の高い組織づくりにつながっているのです。
内山 私自身、ジェンダーの話や意見を発信すると、わがままだと思われてしまう可能性があると勝手に感じていたかもしれません。ただ、一度口に出すと、どんどん議論が活発になっていくんですよね。まだ小さな変化ではありますが、SWANができたことで、臆せずに話し合える文化が広がっていると感じます。
安田 Salesforceのコアバリューのひとつはイノベーションです。きっかけさえあれば、みんなが動き出して、それを会社としてサポートしようとする空気もありますし、スピーディーに変化が起きていきます。SWANをきっかけに、短期間で今まで以上に良い方向に向かうことができると確信しています。