提案がスムーズに受け入れられる!「選択肢の提示」
上司に提案内容の承認を得ようとして、「その内容だと不十分だから、もう一度考えてみなさい」と差し戻されたことはありませんか。せっかく考えた提案内容をいちから考え直すのは骨が折れますし、何より、提案機会を逃してしまいかねません。
一方、次のように質問した場合、上司の反応はどうなるでしょうか。
XXというA案と、●●というB案を考えましたが、どちらが適切でしょうか
案がひとつしかない場合「良いか、悪いか」という二択になり、「悪い(良くない)」と判断された場合、差し戻しになってしまいます。一方、選択肢を提示すると判断基準が「AとBを比較して、どちらが良いか」に変わり、「どちらかと言えば、A案が良い」という答えが期待できるのです。どちらも良くないと判断された場合にも、A案とB案の折衷案なら良いのか、A案よりもB案に近いものが良いのかなど、比較対象があることで改善点を見つけやすくなり、修正案の精度やスピードが格段に変わるでしょう。
もう一歩進んで、「メリット/デメリット」と「自分の意思」も伝えてみましょう。
A案のメリットとデメリットはXXで、B案のメリットとデメリットは~~です。△△という点を重視して私はA案が良いと思いますが、それで提案して良いですか
ここまで詳細に伝えることで、ほかに考え得るメリット/デメリットや自社の営業戦略として重視してほしい観点など、上司側もより詳細なフィードバックが可能になります。これを繰り返すと「以前、XXという提案を考えたら『●●も視野に入れなさい』とアドバイスされた」「このような場合、以前のA案がそのまま使えそうだ」とデータが蓄積され、提案の精度向上も期待できます。
「選択肢の提示」は、顧客へ提案する際も有効です。
今回、A案とB案をご用意しました。XXという効果があるため、私はA案が最適と思います。お客様がXXを重視されるならA案がおすすめですが、●●という効果を重視されるならB案がおすすめです。どちらを重視されますか
どちらを選ぶかではなく「何を重視しているか」をたずねることで、売り込みの印象を与えることなく、「こちらを重視したい(だからA案/B案が良い)」という回答を引き出しやすくなります。もしどちらも選ばない場合も、顧客が何を重視するかわかるため、再提案の精度・スピードも上がるでしょう。
次のページでは、選択肢の具体的な設定方法について解説します。