「お願い」するから冷たく断られる
新規アプローチの代表的な手法として、飛び込み営業とテレアポがあります。私も営業時代に散々やらされましたが、どちらも冷たく断られるばかりで心が折れました。飛び込み営業では渡した名刺を目の前で破られたこともありましたし、テレアポではまだ何も言っていないうちから怒鳴られて電話を切られたこともあります。もともと気が弱い私には、とても続けられない仕事でした。
新規開拓というのはそういうものだと思っていましたが、今では考え方が180度変わりました。冷たく断られることなく、しかも効率良くアポが獲得できる方法があるのです。
その方法をお伝えする前に、電話がかかってきたときの顧客心理について整理しましょう。ここではBtoBの営業を例にします。知らない人から会社に電話がかかってくるパターンは「①営業電話」「②問い合わせ」の2種類しかありません。会社の人は、知らない人から電話が来た場合、このどちらかを瞬時に判断して対応しています。②の問い合わせの電話は将来のお客様になってくれる可能性が高いため、できるだけ丁寧に応対してしかるべき部署につなぎます。反対に①の営業電話だとわかると、断る方向に舵を切ります。ここでしつこく粘ってくる相手には、冷たい対応で断ります。当然、担当者や社長に取り次ぐこともしません。ここまではよくある対応ですね。
しかし、営業が最初の電話で行うべきことは「売り込み」なのでしょうか? “営業”電話という名称から、「営業は電話をかけて自社のサービスを売り込むべき」と勘違いしていないでしょうか。テレアポの目的は売り込むことではなく、アポイントを獲得すること。自社の商品に興味をもって話を聞いてみたいという人を見つける業務です。
このような特徴を持った商品を扱っていまして、ご興味のある方を探しているのですが、御社はいかがでしょうか?
このようなアプローチをするのが本来のテレアポであり、つまり、②の問い合わせそのものなのです。「お願いします」「話を聞いてください」「お時間ください」「社長に代わってください」などのセリフは、すべて営業的アプローチのため、受付の人は断るでしょう。やるべきことはひとつだけ。問い合わせアプローチで電話をすれば良いのです。