法人・行政向け業務改善ツール、AIチャットボット、AI-FAQなどを提供するギブリーは、2023年11月1日に法人向けChatGPT活用プラットフォーム「法人GAI」のメジャーアップデートを実施することを発表した。
本アップデートの目玉となる機能はふたつ。ひとつは「データ連携機能」であり、ドラッグ&ドロップのアップロード作業を行うだけで、「法人GAI」が自社のデータや内部資料に基づく正確な回答ができるようになる。もうひとつは「タスク自動生成機能」であり、アップロードされたデータの内容を読みとり、想定されるタスク内容を自ら提案する。
本アップデートの背景
同社が「法人GAI/行政GAI」サービス展開を行う中で、ChatGPTを「どう使えばいいかわからない」「活用ポイントが見つからない」という相談が多くあり、同社はその理由を「『Use AI』起点の思考だったため」であると考えた。
これは、AIの使い方をユーザー自身が考えなくてはならないため、AIに詳しい知識を持つ人でないと有効活用できない、結果的に使える人は限られてしまうという現在の状況を意図している。高度なレベルでChatGPTを使うには、ユーザーが複雑なプロンプト(指示)を書く必要があることも、AI活用を阻害する要因のひとつと推測している。
そこで同社は「Use AI」のフェーズから、「AIと共に働く『With AI』」時代への変革を打ち出し、「法人GAI/行政GAI」を、生成AIを業務で活用し「With AI」を実現するプラットフォームとして大幅アップデートした。
新機能のポイント
1. 職場由来の独自データと連携
今まで業務で使っていた独自データを連携し、職場のスペシャリストに相談するかのような感覚で、業務に必要な情報が取得できる。
たとえば自社の製品情報やFAQ、マニュアルなど膨大な社内情報から、ユーザーが求める最適解をAIが自ら探し出し、適切な回答を生成。
これらを実現するため、「セマンティックハイブリッド検索」と呼ばれる高精度の検索機能を担保する技術を応用している。
2. AIがユーザーに次の仕事を示唆する「タスク自動生成機能」
「With AI」実現に向けたアップデートの最重要部が本機能。ユーザーが新規作成・更新したデータをAIが読み込み、次に実行すべきタスクを類推し、ユーザーに提案する。
たとえば営業業務であれば、製品概要と商談の音声データを読みとり、商談の内容から当該顧客向けの最適な提案方針を考え、企画書の素案を作成する。IR情報から業績を読みとったうえでのトークスクリプトや、ダイレクトメールの生成も可能。
かつてのAI関連ソリューションは、ユーザーが使い方を考えプロンプト(指示)を作成しAIを巧みに操作する必要があったが、法人GAIではAIがユーザーの行動に即して能動的かつ積極的にアシスト業務を行う。
細かな指示を与えなくても、ファイルをアップロードし適切に情報共有すれば、最適なアクションプランをAIが提示。ユーザーは示唆されたアクションを選択・意志決定し、作業自体はAIに任せることが可能になる。
3. セキュリティ対応
これらの製品はマイクロソフト社のAzureを基盤として開発され、独自データやほかのAI技術・サービスとの連携も、強固なセキュリティ・ネットワークでサポートされている。