年賀状を“送るだけ”では意味がない
今年も多くの方とお会いさせていただいた。その後、何の接点もないまま記憶から消えていく人もいれば、年明けに年賀状を送ってくれる人もいる。実は結果を出している人は年賀状を上手く活用して見込み客を発掘している。
そう言われて、「年賀状は毎年出しているけど、何の効果もないよ」と思った人もいるだろう。だとすれば少し工夫が足りないかもしれない。印刷物をそのまま送っただけでは何のインパクトも与えられず結果には結びつかない。
トップ営業スタッフはさまざまな工夫をしている。たとえば年賀状に“お客様の印象に残るひと言”を添える。これだけでもお客様への印象がかなり違ってくる。「字が下手なので何か書くと逆効果になるから」と言う人もいるが、ひと言添える効果に関して言えば、字の上手さはあまり関係がない。むしろちょっと汚い字で書かれていたほうが印象に残るものだ。
実例を紹介する。2021年の年末に、異種交流会に参加したことがあった。こういった場所では当たり障りのない会話だけで終わることが多いものだが、そのときはなぜかふたりの方と気が合い、仕事からプライベートまで結構深いところまで話し込んだ。
その後のこと。元旦にAさんから年賀状が届いていた。墨字で干支の「寅」と大きく書かれており、その下に「菊原さんとの出会いに感謝します」というメッセージが書かれてあった。達筆でひとつの芸術作品のようだった。なかなかここまでのものを送ってくれる人はいない。感動しながらも、なぜかあまり印象には残らなかった。
同じようにBさんからも年賀状が届いていた。Aさんように芸術的ではない。市販で買ったと思われる、干支の入った年賀状にちょっとした言葉がボールペンでメッセージとして添えられていた。書かれている字もお世辞にもうまいとは言えない。しかし、このお礼状はとても印象に残った。AさんとBさんの差はどこにあったのだろうか。