セールス・イネーブルメントに必要な
「明確な目的意識」
――今後業界Chを活用していくうえで、アップデートされると嬉しい点はありますか。
湯浅 ログに関する機能ですね。実際に営業が使っているのかどうか、利用率を定量的に見ることも必要だと思います。また、業界Ch上にはさまざまな情報が掲載されていますが、「成果を出している営業はどこを見ているのか」というログも見られると良いなと考えています。期待しています。
源栄 ありがとうございます。2022年3月末に、誰がどのくらい利用しているかログを取得できる機能を実装予定です。やはり最近はマネージャー層から同様の要望が寄せられています。また、トップセールスの行動パターンはなかなか再現しにくいですから、そういった方のログから法則性を導き出すことにもチャレンジしたいですね。
――最後に、育成やセールス・イネーブルメントに取り組む営業マネージャーに向けて、メッセージをお願いします。
湯浅 毎年新しいメンバーが入ってくる中、いかに早く戦力化するかと奮闘されているかと思います。我々が重視しているのが、ナレッジの平準化・共通言語化です。少し乱暴な言い方ですが「商談準備しておいて」だけで営業メンバーが必要な情報をそろえられるくらいに共通の認識が浸透している状態が実はいちばん理想的ですよね。今は先輩社員の背中を見て覚えるという時代でもありません。何が目的で、どんな情報を押さえれば良いのか、論理立てて伝える必要があります。この部分を業界Chというツールを 活用しつつ、組織の中で標準化することでコミュニケーションコスト も下がりますし、その積み重ねによって営業の成果も伸ばせると実 感しています。ぜひ標準化に取り組んでいただくと良いと思います。
源栄 セールス・イネーブルメントというと、上手くテクノロジーを活用して営業活動を最適化し、効率的に成果を挙げられる営業人材を育てることですが、そもそもの目的をぶらさないことが重要ではないでしょうか。
まず「営業組織としてどのような目標を達成したいか」があり、そのために「どんな人材が必要か」を考えると、「その人材を育てるためにどんな知識・スキルが必要か」にたどり着きます。このように成し遂げたい目標から掘り下げて、必要な人材や得たい知識・スキルを定めるのが重要だと思います。
そして営業活動の最適化においては、ターゲット企業の顧客情報や商談履歴といったデータの蓄積・分析が必要です。ですから、すでに使っているSFAやCRMの活用を組織として徹底する、その運用を固めることが、セールス・イネーブルメントの第一歩なのではないかと思いますね。
――ありがとうございました!