伝えるべきは特徴やスペックではなく「商品のストーリー」
実は私自身、寝具メーカーのエアウィーヴ広報時代の初期、まさに言語化ができていませんでした。苦労してやっととれたメディアとの面談で、私がプレゼンするほど、記者の方は飽き飽きした顔になり、しまいには「もうそろそろいいですか?」と言われてしまう……。悩んだ末、社長にプレゼンへ同行してもらい、その話しぶりをチェックしました。社長のプレゼンは、いつも相手を魅了して場は盛り上がる。何が違うのか?
あるとき、大きな違いに気がついたのです。私は、特徴やスペックなど「商品のすごさ」を中心に伝えていたのですが、社長は、なぜこの商品が開発されたのか、使用されたお客様の声、そして今後どうしていきたいのかという「商品のストーリー」を伝えていたのです。
そこで私は、PRのもっとも大切なことに気がついたのです。それは、伝える前に、伝える中身を構築(=言語化)するということ。これを私は「PR設計」と名づけました。そして、誰でも6つのステップどおり進むことで、方程式を解くようにPR設計ができるよう体系化したのです。
PR設計をしておくことで、商品の「過去・現在・未来」という全体像を伝え、相手の心を動かすことができるのです。この6ステップの順番で自社の商品を言語化していけば、不足なく魅力を表現できます。
更新可能な形式で、営業ツールとしても使えるPR設計
この、サービスを魅力的に伝えるためのPR設計の6ステップをマスターすれば、メディア掲載獲得にぐっと近づくだけでなく、BtoB営業の際にも使える営業ツールとなります。魅力的な商品であれば、電話口だけでも相手の心を動かすことができるでしょう。それだけ、PR設計にはビジネス全般において活用できるポイントが詰まっています。
PR設計を、メディアPRや、商談で伝えるとき、自分の話術だけに頼るとなると、かなりのスキルが必要です。ここでおすすめなのが、今回ご紹介するPR設計をもとにした「会社紹介資料」をPowerPointなどの編集可能なツールで作成することです。「うちにはパンフレットがあるから必要ないよ」と言われる方もいらっしゃいますが、実はお行儀よく製本されたお客様向けのパンフレットは、PRという観点においてはあまり意味を成しません。なぜなら、SNS時代のPRは「欠点も失敗もストーリーで見せ、それも含めた個性に共感しファンになってもらう」ことが重要だからです。実績を常にアップデートするためにも、この方法をお勧めします。では、実際に6つのステップであなたのPR設計をつくってみましょう。