A10ネットワークスは、「ニューノーマルにおける国内企業のクラウドサービス利用時のネットワーク・セキュリティ課題に関する調査」を実施。国内の従業員500名以上の企業208社のIT従事者から回答を得た。
同調査結果の詳細は、次のとおり。
クラウドサービスの利用状況
クラウドサービスの利用状況を聞いたところ、78%の企業がSaaSサービスを利用しており、もっとも利用の多いSaaSサービスは、Microsoft 365の65%となった。ウェブ会議サービスは63%、チャットサービスは18%の企業が利用している。クラウドサービスを利用していないのはわずか6%のみとなり、ニューノーマル下でクラウド移行やテレワークが推進されるなかで、クラウドサービスは業務に欠かせないものとなっていることがわかる。
クラウドサービス利用時のネットワーク・セキュリティの課題
多くの企業でクラウドサービスが導入されるなかで、利用時もしくは利用に向けてのネットワークの課題として69%の企業がWANやネットワーク回線などの「通信の負荷」、32%がファイアウォールなどの「ネットワーク機器の負荷」を挙げている。クラウドサービスは利便性をもたらす一方で、社内の通信を逼迫させ、サービスの遅延やネットワークトラブルを発生させる可能性があり、対処するにはアプリケーション配信コントローラー(ADC)やSD-WANなどのソリューションにより通信を迂回させる必要があるという。
また、セキュリティの課題として25%の企業が個人アカウントや許可しないクラウドサービスを社員が利用する「シャドーIT」を、54%が「暗号化通信に潜む脅威」を挙げている。クラウドサービスを活用してあらゆる場所からビジネスが継続される一方で、シャドーITによるセキュリティリスクが高まっている。対処するにはCASBをはじめとするセキュリティソリューションや、前述のADCやSD-WANなどにより通信を可視化・制御する必要がある。
SSL/TLS可視化ソリューションの導入状況
常時通信を暗号化しているクラウドサービスの利用が増加するなかで、高まるセキュリティリスクのひとつに暗号化通信に潜む脅威がある。暗号化通信内では脅威そのものも暗号化され、対処するには暗号化通信を復号することによる可視化が必要。しかし、復号処理には負荷がかかり、セキュリティソリューションのパフォーマンスを損ねるため、復号処理に最適化された専用のSSL/TLS可視化ソリューションが登場している。
前述の通り54%の企業が「暗号化通信に潜む脅威」を懸念している一方で、SSL/TLS可視化ソリューションを導入している企業は12%に留まり、懸念に対して対策を進められていない企業が大半なのが判明している。
調査概要
- 調査名:ニューノーマルにおける国内企業のクラウドサービス利用時のネットワーク・セキュリティ課題に関する調査
- 調査対象:従業員500名以上の国内企業208社のIT従事者
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2020年5月~2021年5月