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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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企業の競争力を高める「営業DX」とは? 日本の営業組織の未来を探る powered by SalesZine

2024年4月18日(木)14:00~15:30

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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イベントレポート

「ピッチャーで4番」を求められてきた営業が変わる――NECが取り組む新たなインサイドセールスのかたち

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 コロナ禍で、大手企業向けの営業組織、マーケティング組織はどのような転換点を迎えたのだろうか。本稿では7月2日に開催された「NEC iEXPO Digital 2020」オープニングセッション「New Normalで変わる、B2Bマーケティングとセールスの在り方」の後半をお届けする。

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トップダウン、ボトムアップで、成功体験を積む

前編はこちらから!後編からでもお楽しみいただけます。

 NECでマーケティングを担当するIMC本部 本部長 東海林直子氏、大手製造業向けの営業組織に所属する第二製造業ソリューション事業部事業部長 清水一寿氏、外資ITベンダーの日本法人設立を支援するジャパン・クラウド・コンサルティング 代表取締役社長 福田康隆氏がパネリストとして登壇。モデレーターは、インサイドセールスのコンサルティングを行うグローバルインサイトCEOの水嶋玲以仁氏が務めた。

清水 「フィールドセールスのほうがインサイドセールスよりもお客様といろいろな関係性がつくれるのではないか」という質問がきていますね。私もフィールドセールスが長いですから、そのとおりだと思っていました。一方で環境が変わり、両軸のコミュニケーションも必要だと感じています。インサイドセールスは、メールや電話で言語中心のコミュニケーションを行います。フィールドセールスが行う対面の訪問では、非言語のコミュニケーションからさまざまなことが伝わるとも言われています。この特性の違いから、資料ひとつとってもつくり方は変わるはずなんです。

 
NEC 第二製造業ソリューション事業部 事業部長 清水一寿氏

 訪問営業が使っていたNECの資料は「Busy」なんです(笑)。Face to Faceだと、この資料でも良いのですが、オンライン会議でお客様は細かい資料を見たくないと思います。困りごとと解決策を2行で書けるくらいにシンプルにするというような工夫が必要です。

福田 おっしゃるとおりで、ルールが変わると思います。これまでの営業は靴をきれいにするなど、良い第一印象を与えることを大切にしてきたわけですが、第一印象を与える場所が変わってきます。ミーティング中も、ホワイトボードを使ってその場を掌握するような営業ではないスキルが必要になるでしょう。

 セールスフォース・ドットコムで働いていたとき、電話で売り切る部隊がありました。彼らは、お客様の気が散るようなマウスの動きをしないとか、ブラウザのブックマークを整理すること、いかにデモに無駄がないようにするかを徹底していました。オンラインでお客様に評価され、正しく伝えることができる営業の基準がどう変化するかを見極め、メンバーを訓練していくことも必要ですよね。

水嶋 最後のテーマは「営業デジタルシフト、何から始めるべきか」。始めたばかりの清水さんたちから福田さんに聞きたいこともあるのではないでしょうか。

清水 NECは歴史が古く、ITを提供する会社にしては、営業もかなりベーシックなスタイルでした。新しく営業組織をつくるのであれば、いちから新しいやり方で立ち上げることができますが、いまあるものを変え、ステップアップさせなければいけない。ここが正直いちばんの課題です。ゴールのイメージは福田さんの著書『THE MODEL』(翔泳社)に書かれているようなものだとしても、そこまで階段を何段も登らなければならない。最初の一段をどこから上がるべきか悩んでいます。

福田 トップダウンとボトムアップの両方がないといけません。退屈な回答かもしれませんが、ここに尽きると思っています。企業文化を変えていくことですから、時間はかかります。私が携わってきたMAやCRM、ERPのようなツールも社内で価値のあるものだと思ってもらうには、どこかで成功し、それによって仲間が増えていくことが必要でした。号令をかけて一気に変わるわけではなく、成功体験を積むこと、そのためにやっていこうと決めた人たちが集まるしかないと思います。

 営業支援のツールや仕組みを導入するお手伝いをするとき、営業100人がみんなやりたいなんて組織はなかなかありません。それでも、10人くらいは「こういうのを待っていた」と言ってくれますから、まずそのメンバーで成功し、それを伝播させていく。意外と年齢も関係ないと思いますよ。飛行機の離陸と同じで最初はパワーが必要ですが、離陸後は安定飛行できます。一方で、離陸前に辛くなってやめてしまう人たちが多いのも事実です。結局、そこまで頑張る気合いは大事だと思っています。

水嶋 福田さんから気合い論が聞けるとは(笑)。しかし、『THE MODEL』は営業マネジメントの本ですからね。人のモチベーションをどう上げていくかもきちんと書かれています。最初のステップも大変ですが、広げていくのも難しいですよね。私の経験からも、インサイドセールスに興味は持ってもらえますが、100人の組織で4~5名がパイロットで実施し、その段階で止まってしまうこともあります。次のステップに進むには何が必要でしょうか。

福田 部門のマネジメントが、社内でしっかり宣伝をすることが大事です。これまでの経験からも、インサイドセールスはとても良い仕事をしてくれますが、本人たちが「頑張っています!」と発信はしづらいですよね。そうなると、営業やほかの組織から実態が見えないので、「まあアポとりなんでしょう」という評価になってしまします。実際にそこに至るまでどんな業務や努力があるかを、マネージャーが現場や経営陣に広める必要があります。これはインサイドセールスに限らず、事業のマネジメントの仕事ですよね。

東海林 トップダウン、ボトムアップの両方が大事だという話にも通ずると思うのですが、NECの営業デジタルシフトは経営トップやマネージャー層の注目に加え、現場の営業も注目していることがいままでと異なる点です。現場自身が必要性を感じている取り組みの成功例は、社内でいち早く伝えていくことが大事だと感じました。

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営業は「ピッチャーで4番」を求められてきた

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SalesZine編集部 宮田華江(セールスジンヘンシュウブ ミヤタハナエ)

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