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インサイドセールスは企業の問診活動――パサーとクローザーが活躍するChatwork流の組織とは

 リモートワークの推進に伴い、この企業の製品と親しくなった読者は少なくないだろう。ビジネスチャットツールの代表格「Chatwork」を提供するChatwork株式会社は、「クロージングまで担うインサイドセールス部門」を強みにビジネスを大きく成長させている。同社でセールス部門のマネージャーを務める黒田康仁さんに、独自の組織論やマネジメントの信条を伺った。

インサイドセールス未経験でいきなり責任者に抜擢

――まずは、黒田さんのご経歴を教えてください。

Chatworkに入社する前は、LINEでO2O関連の新規事業の立ち上げを任されていました。その前は別の会社で広告事業やEC事業の責任者を務め、数字を管理しつつ現場にも出るプレイングマネージャーとして働いていました。

Chatworkを選んだ理由は3つあります。今後、コミュニケーションインフラとしてビジネスチャットが間違いなく台頭すると考え、市場の成長性にまず魅力を感じました。その市場でChatworkが良いポジションを築いていたこと、100名前後のコンパクトな企業規模で名だたる企業と渡り合えることに面白みと高揚を感じて入社を決めました。新興産業で自分の経験がどの程度通用するのか、試してみたいという気持ちもありましたね。

入社後は新規事業を企画する部門に配属されましたが、インサイドセールスの部門を本格的に立ち上げるタイミングで責任者に任命され、異動することになりました。

 
Chatwork株式会社 事業推進本部セールス部 マネージャー 黒田康仁さん

――インサイドセールスのご経験がゼロの状態で、いきなり責任者を任されたのですね。最初はかなり苦労されたのではないでしょうか。

手始めに、事業構造の分解から取り掛かりました。事業構造や成約までのプロセスを定量評価が可能な状態まで可視化すると、お客様との通電率や商談設定率に改善点や強化すべきポイントが見えてくるので、有効な打ち手を仮説立てして地道に検証を繰り返しました。

インサイドセールスは長い歴史があるものではないので、当社ならではのインサイドセールスのかたちを模索するのに苦労しました。通常はインサイドセールスとフィールドセールスの分業モデルが一般的ですが、当社の場合はコアターゲットが中小企業で数が膨大なので、なるべく多くのお客様に価値を届けながら、営業効率を最大化するにはインサイドセールスだけで契約まで目指す必要がありました。

インサイドセールスだけで契約をとれるようになるまでは時間を要しましたが、トリガーとなったのはインサイドセールスの分業と資料ダウンロードです。資料をダウンロードされた時点でお客様には何かしらの課題があるので、まずはインサイドセールスの「パサーチーム」が徹底的にヒアリングを行い、その後同じくインサイドセールスである「クローザーチーム」がChatworkを活用した解決方法を具体的に提案するスタイルで、徐々に成果を上げられるようになりました。最近はマーケティングとパサーの連携が深まり、獲得した見込み顧客の検証をこまめに行っているため、より適切な初回アプローチを実現しています。

――このたびの緊急事態宣言にともなう外出自粛要請で、多くの企業がリモートワークを余儀無くされました。この事態は御社のビジネスにも大きな影響を与えたと思います。

たしかに、ビジネスチャットの市場は追い風を受けていると言えます。一方で、この需要を一過性のブームにしてはいけないという危機感も私は持ち合わせています。なぜなら現在の状況下で、一斉にリモートワークやオンラインコミュニケーションの検討が進んでいますが、本来は同じ中小企業でも飲食業界とIT業界で抱えるビジネス課題は異なるはずです。長期的に顧客を支援するために、当社は今後さらに各業種の知見を養って業種別アプローチを強化していこうと考えています。顧客の課題を正確に把握し、逆にこちらから課題喚起ができるくらいの業界専門性を持つことがインサイドセールスチームの現在の目標です。

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