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聞き手を動かすプレゼンの「本論」はひとつのGrand messageと的確な根拠に支えられている

 InGripプレゼンテーションの連載、第1回では「オープニング」での引きつけかたとしてInGripの最初の2文字、”I”ndividualsと”n”arration overviewについて、第2回では「クロージング」の仕方として”i”mageと”p”lanについて述べました。第3回となる今回は「本論」が理解しやすく、説得力を持つために大切な”G”rand messageと”r”ationaleについて述べます。

 

“G”rand message=もっとも伝えたいひと言を持つ

 「結局、そのプレゼンが終わったあと、聞き手が何というひと言を周りに話していたら、プレゼンは成功だったと言えるか」。私があるとき問いかけられ、その後も自らに問いかけ続けている言葉です。

 プレゼンテーションは聞き手を動かすためのもの。聞き手が自らの言葉として、行動へとつながる「メッセージ」を口にすることは、行動へとつながる兆しですし、プレゼンの成功を象徴するものでしょう。

 この「聞き手に話してほしいひと言」はふたつでも、3つでもなく、ひとつに絞ったほうがより効果的とされています。より汎用的に表現すると、プレゼンテーションはひとつの”G”rand Message(メインメッセージとも表現されます)を持つことが大切です。

 なぜ「ひとつ」なのか。これは、全体がひとつの物語としてつながっていると脳が新たな情報を理解するための「認知負荷」が低いから、またあとに続く”r”ationaleの項でも詳しく触れますが、人間が新しい情報の理解のために使う「短期記憶」の量は4±1とされ、ある瞬間に入ってきている情報をほかの情報とつなぐための「命題」を記憶する容量は限られているからと言われます。

 以下の実験は極端な例かもしれませんが、物語としてつながっている文章と百科事典のように物語性がない文章とでは、理解度に大きく差が出ることを表しています。

 
出典:Joerg Zumbach and Maryam Mohraz, Computers in Human Behavior 24 (2008) 875–887

 そのためGrand messageを基軸として、情報全体のつながりや構造が明確であると、聞き手の理解度は高まります。よくプレゼンは「論理的」でなければならないと言われますが、「論理」とは『大辞林(三省堂)』を引くと「①思考の形式・法則。議論や思考を進める道筋・論法。②認識対象の間に存在する脈絡・構造」とあります。論理的とはつながり・構造が(少なくても聞き手からみて)正しく明確であることを指しています。その基軸となるのが「Grand Message」なのです。

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