パーソルグループのパーソルイノベーションReskilling Camp Companyが展開する、リスキリング支援サービス「Reskilling Camp(リスキリング キャンプ)」は、全国の企業に勤める人を対象に、「リスキリング施策」に関する定点調査を四半期ごとに実施している。
7回目となる今回は、業務における生成AI活用とリスキリングの関係性について聴取し、調査結果を発表した。
※本調査でいうリスキリングとは、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義
リスキリング施策の実施率は約4割の傾向を維持
所属企業において、「直近1年の間で、従業員のリスキリング施策に関する取り組みを行いましたか︖」と質問したところ、「実施した」との回答は、前回の39.2%に比べ3ポイント上昇し、今回は42.2%となった。
企業規模別でみると、大企業では、「実施した」との回答が62.4%と前回の58.8%に比べ、3.6ポイント上昇し、中小/スタートアップ企業では、34.1%(前回31.5%)となり、リスキリング施策は、引き続き大企業が先行して取り組んでいる実態がうかがえる。
リスキリングで重視する上位3位のスキルは「ITプロジェクトマネジメント」「セキュリティ」に次ぎ「AI活用(Chat GPT等)」
所属企業が取り組むリスキリング施策において、「重視されるスキルは何ですか?」と質問したところ、全体1位は「ITプロジェクトマネジメント」で33.8%、2位は「セキュリティ」で33.1%、3位は「AI活用(Chat GPT等)」で31.2%だった。
企業規模別でみると、大企業の1位は「ITプロジェクトマネジメント」が42%、2位「セキュリティ」が41.2%、3位「AI活用(Chat GPT等)」が39.7%に対し、中小/スタートアップ企業では1位は「リーダーシップ」で28.8%、同率で2位「ITプロジェクトマネジメント」、「業務プロセス設計」、「セキュリティ」で26.5%、3位「データ活用」で25%だった。大企業・中小/スタートアップ企業でセキュリティが重視されているのに加え、大企業ではとくにAI活用にも積極的であることがうかがえる。
リスキリング施策実施企業の約70%が成果を実感している
所属企業が取り組むリスキリング施策において、成果実感について質問したところ、「大きな成果が実感できた」との回答は、13.4%(前回13.2%)、「成果を実感できた」との回答は56.5%(前回63.6%)となり、リスキリング施策の成果を感じている企業は、全体で約70%だった。
リスキリングの対象部門として「情報システム・ITシステム」がトップ
リスキリング施策の対象となる所属部門について質問したところ、「情報システム・ITシステム」が43.1%でトップだった。次いで、「人事」が28.6%、「経営企画」が26.8%となった。
業種別でみると、通信情報サービス業における「情報システム・ITシステム」部門が76.4%と前回調査よりも10.9ポイント増加する結果となった。
生成AIの業務活用について公式環境が用意されている企業の全体の89.4%が活用
所属する企業の生成AI活用に関して、「公式環境が用意されている」企業では、89.4%が生成AI(Chat GPT等)を業務活用していることがわかった。
生成AI(Chat GPT等)活用におけるリスキリング成果実感
生成AI(Chat GPT等)活用におけるリスキリング成果を実感しているか質問したところ、全体の78.5%が実感していることがわかった。規模別にみると、どの事業規模においても、70%以上が生成AI(Chat GPT等)活用におけるリスキリング成果を実感しており、とくに中小/スタートアップ企業では82%と高い割合で成果を実感していることがわかった。また、業種別では、製造業が84.4%ともっとも高く成果を実感している結果となった。
【調査概要】
調査手法:インターネットリサーチ Fastask(ジャストシステム提供)でアンケート調査を実施
調査対象:全国の企業に勤めている人
調査期間:2024年8月6~15日
対象人数:660名
企業属性:大企業:従業員数が300人以上の企業
※中小企業とスタートアップ:従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置かない企業と従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置く企業。大企業の子会社やグループ会社は含まれない
※製造業:電子部品・デバイス・電子回路製造業、情報通信機械器具製造業、電気機械器具製造業(上記に含まれないもの)、その他製造業
※通信情報サービス:通信業、情報サービス業、その他の情報通信業