ベネッセコーポレーションは、社会人3万5,508名を対象とした「社会人の学びに関する意識調査2022」およびリスキリングに取り組む国内企業800社の受講トレンドに関する調査を実施。その結果を発表した。
社会人の学びに関する意識調査2022
調査概要
- 対象:全国18~64歳の男女(学生を除く)3万5,508名
- 期間:2022年3月18日(金)~2022年3月22日(火)
- 方法:インターネット調査
学習経験有無別および学習意欲有無別に、学習状況を4つのセグメントに分類。その結果、41.3%が社会人になって以降学習した経験がなく、また今後1年以内に学習するつもりもないことがわかった。
- A:学んでいます層(社会人になって学習したことがあり、これからも学びたいと思う層)33.6%
- B:学ぶつもり層(社会人になって学習したことはないが、これから学びたいと思う層)13.5%
- C:学ぶの疲れた層(社会人になって学習したことがあるが、これからは学びたいと思わない層)11.5%
- D:なんで学ぶの層(社会人になって学習したことがなく、これからも学びたいと思わない層)41.3%
「学習意向」と「仕事への意識」の関連性について学習意欲別に比較したところ、とくに「特定の分野の専門性を磨きたい」「新しい仕事に挑戦し続けたい」「仕事を通して成長し続けたい」といった項目で学習意欲の違いが見られた。
- 「特定の分野の専門性を磨きたい」A-Cの差分:31.0pt、B-Dの差分:25.7pt
- 「新しい仕事に挑戦し続けたい」A-Cの差分:32.7pt、B-Dの差分:23.7pt
- 「仕事を通して成長し続けたい」A-Cの差分:32.0pt、B-Dの差分:29.7pt
学習のきっかけについて、「なんで学ぶの層」が学習するために必要なきっかけTOP5は、1位「仕事で必要になる」(37.5%)、2位「お金に余裕ができる」(36.3%)、3位「達成したい目的がみつかる」(30.3%)、4位「時間ができる」(28.9%)、5位「職場から求められる」(22.2%)という結果になった。
Udemy Businessを導入する国内企業800社の受講トレンド
オンライン動画学習サービス「Udemy Business」を導入する国内800社の2022年上半期(1/1~6/30)に受講された人気講座TOP10のうち、8講座がDXおよびIT関連の講座だった。
「ITを作る人」のリスキルが主要な業界の人気講座TOP5
- SIer・ソフトウェア開発:業界全体としてオープン系・Web系サービスの開発に移行。AWSなどクラウド技術をエンジニア社員が学習。
- 自動車・輸送用機器:自動運転などAIを始めとする最先端技術の向上を目的とした社員のリスキルを推進する一方、Excel VBAでの業務効率化からリスキルを始める企業も。
- 輸送・ロジスティック(物流):配達員の業務効率化につながるAI技術の導入などを目的としたリスキルのため、AI・Python関連の講座が上位に。
- コンサルティング:主に新入社員研修として、データベースや統計学、Excelといったデータ分析関連の講座が上位に。ビッグデータの解析技術による提案力向上や要件定義までできる「ITを作る」レベルのコンサルタントの育成が業績に直結する。
「ITを使う人」のリスキルが主要な業界の人気講座TOP5
- 銀行・証券:若手のITリテラシー育成を中心にリスキルが進行し、入社時などにITパスポート資格の取得が推奨され始めている。また地銀では、より専門的なスキル習得で地域の中小企業のIT化支援などにつなげようという動きがある。
- 広告・放送・新聞:デジタルマーケやWebデザインなど新たな知識を必要とする仕事が増加しており、企業として学習環境を提供し始めるところが多い。一部の専門的な業務に関わる社員はより高度なITスキルを学習し始めている。
- 不動産:ビジネスモデルの進化としてオフィスビルの入居者に対する付帯サービス提供など、顧客接点のDXをはじめとして全社的なDXを実施する企業が増加。ITリテラシーの育成を中心にリスキルが進行し、金融業界同様にITパスポート資格の取得を推奨している。
- 総合商社:データ可視化ツール「Power BI」に関する講座がトップ。また上位にビジネス系が多いのは、階層別研修での導入が多いため。