継続的な接点から商談へつなげる BtoBセールス領域でのコミュニティ活用
とくにBtoBセールス領域では、コミュニティを活用することで「継続的な接点の獲得」が期待できます。成約後の既存顧客はもちろんですが、たとえば多くの企業が課題を抱えている「イベント後のフォローアップ」にも活用できます。
多くの企業において、イベント後は参加者にアンケートを取り、電話やメールでアプローチするというアプローチ方法を実践していると思います。こうした接点だけではナーチャリングが難しく、ときには関係性を悪化させてしまうこともあります。
そこで効果的なのが、イベント参加者をコミュニティに招待し、イベントの内容に関連するコンテンツを継続的に提供していく方法です。オンライン上の行動データを活用することで、どのメンバーがどのコンテンツに興味を持っているのか可視化でき、より効果的なアプローチが可能になります。また、2回め、3回めのイベントを企画する際も、コミュニティでの反応を見ながら内容を決められるため、より効果的なナーチャリング施策として展開できます。結果として、営業の商談につながりやすくなるでしょう。
これらはマーケティング部門やカスタマーマーケティング部門と連携しながら進めていくことで、より大きな効果を生み出せます。繰り返しになりますが、BtoBコミュニティは会社全体で取り組むべきものです。カスタマーサクセスやセールス、プロダクト開発など、その効果は多岐にわたるのです。
また、日本の市場環境を考えると、人口減少にともなって既存顧客との関係性強化はますます重要になるでしょう。コミュニティを通じた顧客と自社、顧客と顧客のつながりは、課題解決や新たな売上創出にもつながる大きな可能性を秘めています。
ただし、そうした効果が表れるまでには時間がかかります。今から始めても効果が出るのは2~3年後。成果を出す企業を見て取り組み始めても、追いつくまでには時間がかかりますし、そのころには競合する企業同士でコミュニティのメンバー獲得競争も起きてくるでしょう。早期に取り組むことで市場での優位性を確保し、それを企業の競争力につなげていただければと思います。