どのようにイネーブルメントをすすめるべきか(How)
「セールスイネーブルメント」によって、顧客や営業戦略の変化に対応することはもちろん、本記事で論じていきたいところですが、もうひとつの手段として「組織編制や役割分担で解決する」という選択肢も忘れてはなりません。
これらを「役割設計」と表現しますが、ふたつの選択肢の特徴は次のようになります。
- セールスイネーブルメントでの対策
方向性:仕組みで解決
メリット:仕組みや人材の中に知見が残るため、中長期的に安定した課題解決につながる
デメリット:打ち手によっては課題解決までに時間がかかる
- 役割設計での対策
方向性:人で解決
メリット:役割を絞って分担することにより短期的な実行力が上がる
デメリット:個人の評価や意志の観点からも途中変更の難しさが生じる
どのようにイネーブルメントをすすめるべきか(イネーブルメントの方法)
それでは、「セールスイネーブルメント」を手段として営業の変化に対応する場合、具体的にどのような打ち手が考えられるかを見ていきましょう。

国内大手教育事業会社で営業職としてキャリアをスタート。全社営業戦略プロジェクトや首都圏営業組織のマネジメントに従事。その後、デロイトトーマツグループに入社。人材・組織開発コンサルティング、プログラム提供に従事。株式会社セールスフォース・ジャパンへ参画し、営業組織のセールスイネーブルメント支援に従事。イネーブルメントの全体設計・推進、顧客向けのイネーブルメント促進、全社プログラムプロジェクトをリードし、レベニュー全体のイネーブルメント組織を牽引。2023年、株式会社ナレッジワークに参画し、セールスイネーブルメントメソッドの開発とコンサルティング支援に従事。Customer Accelerator Group Managerに就任。
営業1人ひとりの行動を変えるには、手法や仕組みだけではなく意識から統一していく必要があります。「このような営業に慣れているから」「今まではこういうやり方だったから」という営業組織の意識を捉えながら、具体的な手法やツールを営業組織に向けて整えることが大切です。
※仕組みと営業現場の意識(主体性)の両輪を回すという観点については、第2回の記事ご参照いただければと思います。
前回記事
大きな方向性として、営業の役割は案件を「創る」こと、案件を「進める」ことにあります。この「創る」「進める」に対して仕組みを整備して現場で推進していくことは大切ですが、前提となる戦い方(ゲームプラン)の変化と認識共有が同じくらい重要となります。
まずは、もっとも重要な「戦い方」について整理していきます。