良い商談を生み出す「ナレッジ」と「トーク」
第1回でも触れたように、営業コーチングの方法を理解するためには、まず営業スキルの構造を知らなくてはなりません。
営業スキルを構造化して要素分解すると「コミュニケーション力(人間関係構築力)」「プロジェクトマネジメント力」「ナレッジ(周辺/ビジネス/製品)」「トーク(ヒアリング/プレゼンテーション)」の4つに分類できます。コミュニケーション力やプロジェクトマネジメント力などの商談外スキルは、経験がものをいう部分もあり、なかなか再現できません。
一方、「ナレッジ」「トーク」の商談内スキルは、マネージャーによるコーチングや営業トレーニングでスキルアップしていくことが可能です。営業コーチングで目指すべき「良い商談」とは、顧客の本質的な課題を深く理解し、適切なソリューション提案をすること。そのためには「ナレッジ」が必要ですが、知識だけを詰め込んでも商談は成立しません。「ナレッジ」を身につけるとともに、顧客課題を引き出し、適切に製品価値を届けるための「トーク」を磨くことで、より深みのある商談が可能になります。
「ナレッジ」と「トーク」は切っても切れない関係であり、まさに営業力の両輪と言えるでしょう。
次のページでは、営業コーチングで指導すべき「ナレッジ」と「トーク」について、有効なフレームワークを交えつつ解説していきます。