Zoomが目指す今後の展望は
「人と人がつながるための下支え」
──さまざまなAI機能を製品に実装してさらに勢いを増しているZoomですが、今後のビジョンについてうかがえますでしょうか。
我々が今目指しているビジョンのひとつとして「ひとつのプラットフォームが世界を変える 無限に広がる人とのつながり」というものがあります。
その原点には、「Delivery Happiness(すべての人に幸せを届ける)」というカルチャーがあります。「我々は何のために生きているのか」と考えたとき、社会のため、お客様のため、お互いのためになっていると思える会社であり続けたいのです。
「Zoom Revenue Accelerator」はそのビジョンやカルチャーを実現する方法のひとつですが、同時期に生成AIアシスタント「ZoomAI Companion」という機能もリリースしました。これはお客様がZoomの有料サービスのアカウントを利用していれば、追加料金なしで利用いただくことができるAI機能です。
個人の生活ではすでにAIを活用した新しい世界に移行しつつあるにもかかわらず、会社内では議事録を手で起こし、メールに添付するなど、古い方法がまだ広く使われている状態です。「Zoom AI Companion」の機能を使えば、ミーティング中にAIによって整理されたデータをチームチャットなどで共有したり、データとして手軽に保管したりすることができます。さらに、日本語以外の言語をAIが翻訳して字幕にすることで、多言語でのミーティングまでをも可能にします。
「Zoom AI Companion」によって新しい手法を提供し企業内のコミュニケーションをより効率的かつ現代的なものに変えることができるのです。
我々は今後もこのような新たな機能を提供し、さまざまな企業のあらゆる業務課題を解決していきたい。Zoomを単なるビデオミーティングのツールではなく「コミュニケーションプラットフォーム」として皆さまにご活用いただきたいと考えています。
──たしかに、Zoomは「ビデオ会議ツール」のイメージが強いですが、今は広く課題解決に寄与する「コミュニケーションとコラボレーションを提供するプラットフォーマー」へと進化を遂げているのですね。
コミュニケーションプラットフォームとして人々のコミュニケーション課題を解決することは、我々が人と人が関わる領域すべてにおいて実現したい夢です。たとえばZoomのAI機能によって言語の壁を超えられれば、日本の素晴らしさや安全さをよりスムーズに世界に伝えることができるでしょう。少子高齢化が進み日本の人口が縮小していく中で、インバウンドをさらに活気づけるお手伝いもし、日本をもっと元気にしていきたいですね。
また、日本は世界屈指の災害大国でもあり、今後もどのような災害が起こるかわかりません。過去には大分県で発生した大雨と洪水災害に対し、地域連携協定の締結によってZoomを無償で提携したこともあります。これを学びにして、学校など避難所として活用される教育機関にZoomを導入していただき、万一の災害のときにも家族と会話ができる状態をつくることができれば、人々を少しでも安心させることができるのではないかと考えています。
──やはり「人」を基盤に考えているからこそ、人々を魅了し世界にシェアを広げるサービスを生み出せるのですね。
「Zoom Revenue Accelerator」やAIの話を切りとると、効率化や売上向上というビジネスの話に終始してしまいますが、我々のトータルブランディングとしては「Delivery Happiness(すべての人に幸せを届ける)」という精神がすべての原点であり、もっとも大切にしていることです。
経営者の方々や営業のトップの方々にも、我々がそういう理念を持ってZoomを送り出していることを、お伝えできたら幸いです。
──ありがとうございました!