営業マネジメントの失敗談や面白さを語った前編「『2回の降格』『人の成長に期待しすぎた』 失敗から学ぶ営業マネジメントの面白さと難しさ」も公開中! 読者の皆さまからの質問に回答する後編の本編からでもお楽しみいただけます。
自分らしいマネジメントスタイルを考える
事前質問①
マネジメントに向いている人と向いていない人の特徴はありますか?
梅田(セレブリックス) 「マネジメントはスキルだから誰もできる」という言説もありますが、ぶっちゃけ僕は嘘だと思いますね。どんな仕事にも向き不向きがあるようにマネジメントにも多少はあるはずです。
梅田 ただ、「マネジメントに向いている」と自分で認識できる人は少なく、「とてつもないリーダーシップを発揮する高尚なもの」だと思われている部分はあるかもしれません。営業の1割しかできないような難しい職務ではなく、後天的にできるようになる人も意外と多いものです。
さらに言えばどんなマネージャーを目指すかによっても話は変わってきます。知っている方も多いと思いますが、セレブリックスの今井さんや僕は自ら戦いに突っ込んでいく「俺についてこい」な将軍スタイルのリーダーですが、皆の後ろで指示を出す参謀タイプのリーダーもいます。ほかには、「あの人がいるだけで組織が和む」心理的安全性を保つようなリーダーシップもあるでしょう。自分に合うスタイル、成果を出せるスタイルをイメージすることも必要ですね。
宮田(SalesZine編集部) 思っているより、さまざまな人にチャンスがあると理解しました。梅田さんが「この人は引き上げていきたい」と思う若手はどんな人でしょう。
梅田 言葉にするのは難しいですが、「もっと頑張りたい」「いまのままではいけない」とか、どこにぶつけたら良いかわからないエネルギーを持っている人でしょうか。そういう人は、一度会社の中で上を目指してみると良いと思います。
宮田 同じ会社で働いているとそういう熱量を持っている人には気づきますよね。古瀬さんはマネジメントの向き・不向きについて、いかがですか。
古瀬(セールスギルド) 梅田さんが素晴らしい回答をしてくれたのでとくにないのですが(笑)。付け加えるならば、マネージャーに求められているのは「数字を達成する」こと。その手段は自由だからこそ、自分なりのマネジメント像が必要になります。向いている要素としては、「共感力や傾聴力が高い」「仕組み化や体系化が得意」「人に任せることができる」など、さまざまありますが、マネジメントで失敗した20代のころの私はすべてダメでした。
古瀬 とにかく自分で成果を挙げたいし、メンバーには「社長にアポをとったのに何で契約できないの?」と詰めっぽく聞いてしまう。体系化も言語化もできないから自分でクロージングをして、誰も育てない。当時の自分は向いていなかったし、「そりゃあ2回降格しますわ」という感じでした(笑)。私自身も模索中ですが、自分の得意なマネジメントパターンを持つことが重要ですね。