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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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営業の仕事は「売る」ことなのか? 「Buyer Enablment」をめぐる冒険

2024年7月12日(金)13:00~18:20

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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営業組織の「ボトルネック」を分析・特定せよ! セールス・イネーブルメント成功の秘訣と実践事例

トレーニング、業務フローから給与まで──日米の差から「セールス・イネーブルメント」を捉え直そう

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 営業がうまく売れない理由はさまざまです。要因は、営業フローなのか、ツールを使ってないことなのか、スクリプトなのか、ヒアリングなのか、提案内容なのか。 売れない理由はひとつではないはずです。それらを分析・特定し、明らかになった課題を取り除き、適切な対応をすることで営業は売れるようになる。それが「セールス・イネーブルメント」です。 日本では「トレーニング」のような捉え方をされやすいセールス・イネーブルメント。本連載では、トレーニングだけに縛られないセールス・イネーブルメントについて、商談分析ツール「アンプトーク」を通じて企業のセールス・イネーブルメントを支援しているamptalkが、事例なども交えて解説していきます。

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米国と日本、セールス・イネーブルメントの大きな差

 こんにちは。amptalk 代表の猪瀬竜馬です。連載第1回では「セールス・イネーブルメントって何?」というテーマについて、日米における差や、米国における定義に基づいて解説していきます。

amptalk株式会社 代表取締役社長 猪瀬竜馬
2010年に早稲田大学卒業後、大手化学メーカーにて営業・マーケティングを経験。2年間、ペンシルバニア州にある米国の医療機器メーカーでProduct Marketing Managerを経験し、営業500名に対しSales Enablementツールを用いたDXのプロジェクトをリード。2018年スペインie business schoolにてMBAを取得。

 私は2017年頃から数年間、米国でセールス・イネーブルメントに携わっていました。米国全体で600名程度の営業組織を持つ医療機器の会社に勤めていたのですが、オンボーディングは本社で隔週で行われており、応酬話法からデータの使い方までスクリプトレベルで徹底的に型化されていました。

 このように、セールス・イネーブルメントの本場である米国では、オンボーディングをはじめ、さまざまな型化が進んでいます。 要因はふたつ。ひとつめは土地の広さ、ふたつめは離職率の高さです。これらの要素があるため「徹底的な型化をしなければとても人材のROIが合わない」という考え方が浸透しているのだと思われます。

 ただ、当時の組織内で「Sales Enablement」という言葉を使っている人は誰もいませんでした。社内にあったのは「Sales Training」という部門。ロールプレイやインプットの研修などが行われており、徹底の度合いに違いはあれども日本と米国で実施している内容に大きな差はありませんでした。

 しかし現在、イネーブルメントに関する認識の差は、日米間で大きく広がりつつあります。次の図は、日本と米国のGoogle Trendsのイネーブルメントの検索トレンドの差を表しています。

人気度は0~100の範囲でスケールされ、数値が大きいほど人気が高いことを示す(Google Trends

 5年間の推移をご覧いただくと、米国の平均「63」に対して日本は「9」(2023/7/22現在)と圧倒的な差が生まれています。また、米国は上昇傾向である一方、日本は横ばいであることも見てとれます。

 Gartner社の調査(※)でも「2027年までにSales Enablementの予算は50%増加する」というレポートが出されています。

※引用元:2023年2月に発表されたGartner社のニュースリリース

Gartner Expects Sales Enablement Budgets to Increase by 50% by 2027

また、LinkedInの定点調査「“Sales Enablement”の肩書きを持つ人数」が基本的に上昇傾向であることから見ても、米国ではイネーブルメントへの注目度が高いことがわかります。

引用元:LinkedIn has 18k users with Sales Enablement in their job title and I see the market at USD $11.06Bn a year

 では、日米で差が広がってしまっているのはなぜでしょうか?

 前述のとおり、米国では地理的な背景や労働市場の背景から、高比率のインセンティブ設計や人材確保のための充実した育成プログラムが必須になってきます。 またSaaSプロダクトが世界でもっとも生み出されている国でもあり、ツールの利用も先進的に行われています。これらが要因となり、米国ではセールス・イネーブルメントが注目されているのです。

 一方、日本においては、米国に対して国土が小さいことや、ツールの普及が米国より遅れていることも影響し、米国ほどセールス・イネーブルメントが浸透していないと考えられます。

 しかし、新型コロナウイルスの影響によるリモートワークやオンライン商談の浸透、営業人材の減少を背景に、日本でも、セールス・イネーブルメントは各社が取り組んでいかなければならないものとなっています

次のページ
イネーブルメントとは「セールス全体が最高のパフォーマンスを発揮できるようにすること」

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この記事の著者

amptalk株式会社 代表取締役社長 猪瀬 竜馬(イノセ リョウマ)

2010年に早稲田大学卒業後、大手化学メーカーにて営業・マーケティングを経験。2年間、ペンシルバニア州にある米国の医療機器メーカーでProduct Marketing Managerを経験し、営業500名に対しSales Enablementツールを用いたDXのプロジェクトをリード。2018年スペイ...

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