はじめに取り組むべきは、PDCAの基盤つくり
連載第1回目はセールス・イネーブルメントの役割や立ち上げ方について述べました。第2回の今回から第5回にかけては、セールス・イネーブルメントの具体的なアクションについて、Sansanの実例を交えてお伝えしたいと思います。
今回は、「PDCAが回る営業組織」をテーマにしたいと思います。第1回目の連載で述べたとおり、セールス・イネーブルメントの基本的な役割は教育プログラムの展開ですが、それだけでなく、営業組織のボトルネック改善に同時に取り組まなければ効果は出ないというのが立ち上げのリアルです。そのため、営業組織の課題を特定し、解決アクションを行い、アクションの効果を振り返る、というPDCAサイクルが回る体制を構築することが、セールス・イネーブルメントとしてはじめに取り組むべきアクションになります。
営業組織において、PDCAサイクルが回る体制にするポイントは3つです。
- 営業プロセスを正しく細分化し、データ取得の基盤をつくる
- CRMを効果的に活用し、データを取得する
- データを定点観測し、現状把握を行う
3つとも、いまさら当たり前のことを言うなと怒られそうな内容ですが、この3つを正しく徹底できている営業組織は多くないのではないでしょうか。今回は実務的な内容を交えながら、上記3つのポイントについて詳しく説明していきます。