各指標をSFAに反映し、BIを用いて可視化する
パイプライン管理にSFA/BIを活用する際の最初の工程は、隠れた要件や指標、ロジックを言語化することである。同社ではまず、「パイプラインの指標(PPL指標)の定義決め」を実施した。「定義は人によって異なり、マーケティングと営業のPPL指標が合っていないこともある。顧客のステージがマーケティングからセールスに移ったとしても、顧客に向き合う姿勢は変わってはいけない。まず組織横断でしっかり定義を決めていく必要がある」と、平光氏はポイントを示す。
その前段にあるのが、営業活動におけるビジネスプロセスの整理である。さまざまな部門がシステムを活用するため、目線を合わせていく必要がある。また顧客のステージ状態を再定義し、それに合わせてマーケティングから営業までのKGIやKPIを整理することで、PPL指標の定義を決める。
次の工程は、「必要なデータや必要なパターンを整理」すること。「データはたくさん集めれば良いのではなく、必要なものを最小限に集める。そしてデータを使いやすいようにすることが肝心」(平光氏)。
たとえば同社では、レベル2の骨太の指標(売上・粗利・営業利益のデータを半期・四半期で掛け合わせたもの)は特定できている状態にあった。次のステップでは、レベル3のサービス別・個人別・流入別といったさまざまな分析軸で見ることを目指したい。それらを分析する際には、レベル2で見ていたデータでは足りないため、SFAやCRMで管理している「営業担当」や「商談履歴」「プロジェクト開始時期」など複数の要素データを管理できるようにしていったのだ。
そして最後に、それらを「ビジュアライズ」する。データやパイプラインの定義を決め、それをBIダッシュボードで視覚的にわかりやすく可視化するのである。