これからは、ゴール設定が「自分ごと」であるかが勝負になる
企業が「業界No.1」を獲得したとしても、その業界の情勢が瞬く間に変容し、いつ淘汰されてもおかしくない状況に置かれています。また、個人という観点でも特定の資格を取得したり、特定の企業に就職したりすれば一生安泰である時代はとうに去りました。
そんな時代ですから、どのような企業も「経営計画」を作成し、自社の未来の姿を描き続けながら、事業の持続・発展を目指しています。また、個人においても転職の有無にかかわらず、自らキャリア計画を作成し、自助的なスキル獲得を行っている方も多いのではないかでしょうか。
昨今、マーケティング現場ではデータを活用した「パーソナライズ化」が重要視されています。しかし、現在もっともパーソナライズするべきは「あなたが何をゴールとするのか」の目標設定であると我々は考えています。人は誰しもスキルやバックグラウンドの掛け算による稀少性を持ち併せています。そして、本人の好きなことや才能などを掛け合わせ、オンリーワンのゴールにたどり着いてほしい、というのが私の考えです。
世の中は社会課題で溢れています。糖尿病や高血圧で悩む高齢者の方もいれば、コミュニティに馴染めないと悩む若年層もいます。また、インフラの老朽化問題もあれば、交通事故が頻発する交差点も多く存在します。無数に散見される課題の中には、「あなただからこそ」解決できる事柄もあるはずです。どんなに小さな課題でも、これまで誰かが解決できなかったならば、それは社会問題ですし、ひとりを助けることができたアイディアや取り組みがほかの人々を助ける次の手立てにもなり得ます。
誰もがデータを活用し、サービスや事業を立ち上げることができるようになった今、どんなに小さな事柄であっても「あなただけのゴール」を持つことは大きな強みになります。なぜなら、データとゴールの間には特別な関係性があるためです。
両者の関係性を考えるうえで留意するべきは、他人軸のゴール設定で走り続ける限り、データはあなたの味方にはならないということです。他人軸のゴール設定とは、企業で言うと「売上〇〇億円達成」「業界No.1を目指す」、個人では「部長になる」「年収〇〇万円以上」などです。これらはいずれも、価値基準を自分以外の何かにゆだねてしまっており、自分以外の第三者から評価されることで自身の価値を確認しようとしています。このようなマインドのまま目標達成に向けてデータ運用を進めていくと何が起きるのでしょうか。