「今ここにあるデータ」を活かすということ
当社では日本中の地方銀行や、自治体の「健康データ統合プロジェクト」を通じて、地方の「やれる気」を伸ばすお手伝いをしています(「やれる気」に関しては、前回の記事で解説しています)。取り組みを通じて気がついたのは、「やれる気」を伸ばすためには「今ここにあるもの」を見据えたアプローチが重要だということでした。
昨今のDX関連書籍を手にとると、「いかにして、新しく収集できるようになったデータを最新技術を用いて活用・運用するか」という点に注目が集まっているように感じます。その背景には、オンライン上の顧客回遊データやスマートフォンアプリから収集したデータなど、多様なデータの収集が可能になったことがあるでしょう。
こうした情報に触れると「今の自分たちにはデータが不足しているため、新しくデータを採取することから始めなくてはいけない」と焦りを覚えるビジネスパーソンも多いかもしれません。
しかし、新たに収集できるようになったデータとは、いわば「頑張れば、誰でも収集できるデータ」です。これらのデータ収集・活用は企業活動として重要ではありますが、すでに地方企業や自治体には「昔から蓄積され続けてきたデータ」が眠っています。こうしたデータの活用に目を向けることこそが地方DXにおけるもっとも大切なポイントです。