企業間取引データを読み解こう
当社ユニラボは、BtoB受発注プラットフォーム「アイミツ」を運営しています。「アイミツ」は、何かの業務を他社へ発注したいビジネスパーソンと、お仕事を受注したい企業を、適切かつ効率的にマッチングするサービスです。当社はこのサービスを通じて、日々発生する受発注プロセスから、企業間取引に関するトレンドデータを集積しています。
本連載では、これら蓄積データと考察を交えて、中小企業のBtoB商談の最前線と今後のトレンドについて、多くの企業の発注をご支援してきた私がわかりやすく解説します。
連載は全3回となっており、第1回の今回は「コロナ禍前後での商談と営業方法の変化」、第2回は「業界ごとのオンライン商談増減やその背景などのトレンド」、第3回は「成功企業の事例から導き出されるオンライン商談のコツ」について解説します。
BtoBの領域で、マーケティング、営業、カスタマーサクセスなど、セールスにかかわるすべての方の一助になれば幸いです。
2020年3月にオンライン商談環境の準備は整っていた
第1回の今回は、おさらいとして現在の営業のトレンドを解説します。すでにご存じの方も多いかもしれませんが、あたらためてファクトベースで今の環境を見てみましょう。
コロナの前後で大きく変化したもののひとつは、「商談方法」です。
多くのビジネスパーソンが体験したように、出社がマストだった状態からリモートワークが推奨、許容されるようになりました。ミーティングや商談については、出張や展示会が減少し、対面での商談に代わりにZoomやTeamsのオンラインツールでの商談が増えたことを実感されていることと思います。
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい始めた2020年3月に、当社のカスタマーサクセスチームが緊急で「オンライン商談体制の状況」について、にヒアリングした結果は次のとおりです。
「すでに体制がある」(57.1%)がもっとも多く、「これから整えていくつもりだ」(27.5%)が続きます。この結果からも明らかなように、コロナ禍以降、多くの業種で、提案・クロージング・成約後フォローまでのプロセスをオンライン商談で対応できるように準備することがほぼデフォルトになりました。
そして、この対応に乗り遅れた会社は、その後の受注に苦戦する状況となりました。たとえば、いくつかの企業からは当社宛に次のようなコメント寄せられました。
- 初回商談時に対面で訪問することが強みなので、状況が落ち着くまで紹介をストップしてほしい
- 訪問ができないので、企業の紹介をストップしてほしい
- コロナ禍の影響で今月から社員が休業に入り案件対応が出来ない状態ため、サービス利用を休止したい
- コロナ禍の影響で、リソースが激減し、案件対応できる状況ではない