リモート環境で営業が「やりづらく」なったことは?
前回「顧客との「オンラインの場」づくり(1) 営業組織は「出会いの場」をいかにつくるべきか」は、顧客との新規商談や窓口開拓など「出会いの場」をテーマに解説しました。そして、今回は「関係づくりの場」を取り上げます。
筆者は人材・組織開発のコンサルタントとして企業のコミュニケーション強化に携わっています。営業活動がリモート環境になる中で特に難しくなったという声が大きいのは「関係づくりの場」です。営業プロセス別に企業内でヒアリングを行うと、「アイスブレーク」など打ち解けた雰囲気をつくることに難しさを感じる人が多いことがわかります。具体的には、「雑談をする機会が減り関係を縮めることができない」(IT企業)といった声を多く耳にします。
図表1は某社のデータを集計したものですが、右側の「商品・サービスの紹介」に比べて、左側の「関係構築」のほうがやりづらいと感じる人が多いことがわかります。某社以外にも「関係構築」をやりづらいと話す企業が多くあります。その一方で、プレゼンテーションや次のアクションの確認など「説明や情報の伝達」を中心にするものは慣れてくるケースが多いようです。コロナ禍によりウェブ会議ツールなどが急速に広まり、「操作方法などにも慣れてくると画面投影をしながらの説明などはかえってしやすい」(医療機器)という意見もあります。