営業がマイナスの影響を与えてしまうケースとは?
営業がマーケティングに与える影響は総じてプラスであることが多いです。ただし、マイナスの影響が出てしまう場合もあります。今回はマイナスになるケースをよく理解し、過去に失敗してしまった事例の二の轍を踏まないようにしていただきたいと思います。
営業主導がマイナスに影響してしまうポイントは以下の5つです。
- 営業側のやりやすさを重視してしまう
- かえって自社の良さを表現できない
- 過去のやり方にひっぱられる
- 短期的な視点に立ちすぎてしまう
- マーケティングへの期待値が上がりすぎ、誤った目算を立てる
1つひとつ見ていきましょう。
1.営業側のやりやすさを重視してしまう
これはコンテンツをつくる際によく起こります。たとえば、事例取材を行う際、営業の都合だけで企画をすると自分たちと関係性の良い、許可取りが面倒でない顧客を対象としがちです。実際に営業側が企画を主導したケースでは、聞いたことのない中小企業の事例しか事例に並ばなかったということがありました。
しかし、マーケティング側には次のような難易度の高いリクエストがあるはずです。
- 大企業の事例がないため、難易度の高い大企業の許可取りをしたい
- 関西のエリアを開拓したいため、関西の事例が欲しい
- 医療分野の実績をPRしたいので、病院の事例が欲しい
一般的に、難易度の高い事例のほうが、競合も同様に事例化することが難しく、希少価値が高くなります。取り組みやすいものを選択してしまうと、価値が高くないものをつくってしまうことになりかねません。
「営業のやりやすさ重視」はコンテンツ企画以外の場面、営業フォローなどでも同様のことが起こりやすいテーマです。
たとえば、「資料ダウンロードが行われた際、30分以内に営業がフォローする」ということをルール化したいとします。しかし、実際のケースでは営業が工数を惜しんでやらなかったり、その対応が面倒であるためとりあえず営業実績の乏しい新人に任せっきりにしたりしてしまっているケースを経験しました。
せっかく獲得した見込みの高いリードも、高い品質で営業がフォローしなければ、受注へのインパクトがどのくらいあったかを測ることができずに終わってしまいかねません。
まずは営業・マーケティングの両者で理想とする基準で実践してみて、効果測定を行う。そのうえで、省力化できるところはするほうが現実的な手順です。