mentoは、100人以上の企業に勤める会社員832人(一般社員416人・中間管理職416人)を対象に「AI時代の上司と部下の本音調査」を実施した。

上司と部下で話される“本音”の実態
1.上司の7割が「1on1が負担」と回答 要因は「部下への気遣い」「本音の引き出しに苦戦」

上司に対して「部下との1on1や面談に心理的負担を感じることがありますか?」と質問したところ、「負担を感じることがある」(29.8%)、「負担を少し感じることがある」(35.6%)と、上司の65.4%が負担を感じていると回答した。その理由として「部下に気を遣っているから」(62.5%)、「本音を引き出すことが難しいから」(44.1%)、「フィードバックが難しいから」(43.0%)が挙げられた。
2.上司の7割が「本音の引き出しに苦戦」と回答 要因は「1on1が短い」「タイミングがない」「物理的に会わない」

上司に対して「1on1や面談で部下の本音を引き出すことに難しさを感じますか?」と質問したところ、「とても感じる」(26.4%)、「少し感じる」(45.9%)と、上司の72.3%が難しさを感じると回答した。その要因として「1on1で話せる時間が短い」(48.5%)、「声をかける適切なタイミングを見極めづらい」(45.2%)、「多拠点や直行直帰など物理的に会う頻度が少ない」(38.2%)が挙げられた。
3.部下の8割が「本音を話せていない」と回答 影響として「転職を考えた」「キャリアに不安を持った」

部下に対して「1on1や面談で上司に『本音を話せていない』と感じますか?」と質問したところ、「本音を話せていないと感じる」(21.6%)、「あまり本音を話せていないと感じる」(36.8%)、「どちらとも言えない」(23.8%)と、部下の82.2%が本音を話せていないと回答した。その影響として、第一に「転職を考えた」こと、第二に「キャリアに不安を持った」ことが挙げられた。
4.上司・部下が本当は話したい“本音”の中身:1位「業務の不安や弱音」、2位「仕事やチームへの改善提案」

部下に対して「本当は上司に聞いてほしい本音」を質問したところ、第一に「業務の不安や弱音」、第二に「仕事やチームへの改善提案」が挙げられた。一方、上司に対しても「本当は引き出したい部下の本音」を聞いたところ、こちらも同様に第一に「業務の不安や弱音」、第二に「仕事やチームへの改善提案」が挙げられた。話したいこと、引き出したいことは共通しているものの、うまく本音を対話できていないという実態がわかった。
AI活用の可能性
5.部下の9割が「AIに本音を言いやすい」、8割が「AIのフィードバックは受け止めやすい」と回答

仕事の中でAIを利用している部下に対して「AIに本音を言いやすいと感じますか?」と質問したところ、「とても感じる」(32.6%)、「少し感じる」(52.4%)と、部下の85.0%がAIに本音を言いやすいと回答した。また、「AIからのフィードバックをどう捉えていますか?」と聞いたところ、「受け止めやすい」(25.1%)、「少し受け止めやすい」(55.1%)と、80.2%がAIのフィードバックを受け止めやすいと感じていることがわかった。
6.一方で、“上司の役割”はAIに代替されるのではなく「上司とAIが分担しあう」と部下の7割が回答

部下に対して「チームにおいて『上司が担っている機能』はAIで代替できると思いますか?」と質問したところ、「全て代替できる」と答えたのは7.5%のみだった。「ほとんど代替できると思う」(19.2%)、「一部しか代替できないと思う」(37.0%)、「ほぼ代替できないと思う」(16.6%)と、部下の72.8%が上司とAIが役割を分担しあうと思っていることがわかった。
7.上司は、部下がAIに相談し「感情を整理してから相談してくれる」ことを期待

AIが事前に部下の相談やケアを担うことに有効性を感じている上司に対して「有効性を感じる理由」を質問したところ、「感情を整理してから相談してくれる」(70.7%)ことにもっとも期待しているとわかった。
8.削減された時間は「目標達成の取り組み」や「方針の意思決定」に再配分したい

上司に対して「部下のマネジメントが楽になったときに、何に注力したいですか?」と質問したところ、「目標達成のための取り組み」(57.2%)、「方針の意思決定」(38.2%)が挙げられた。
【調査概要】
調査名:AI時代の上司と部下の本音調査
調査期間:2025年9月1〜3日
調査機関:mento
調査委託先:ジャストシステム
調査対象:100名以上の企業で働く社員
有効回答数:832(一般社員416・中間管理職416)
調査方法:インターネット調査