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日立と日本IBMが共創により、融資DXサービスと金融デジタルサービス・プラットフォームの連携を開始

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 日立製作所(以下、日立)と、日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)は、共創により、日立の融資DXサービスと日本IBMの金融デジタルサービス・プラットフォームとの連携を開始した。

 具体的には、日立が提供する「金融機関向け融資DX推進サービス(以下、融資DXサービス)」(※1)と、日本IBMが提供する複数サービスとの連携を可能とした業務マイクロサービス(※2)基盤である「金融サービス向けデジタルサービス・プラットフォーム(DSP)」(※3)が連携し、これまで一連の融資業務のうち、金融機関側が個別に勘定系システムにアクセスしていた顧客情報や与信などの照会に関するプロセスが、融資DXサービスの機能拡大として組み込まれる。これにより、ワンフロー化して効率化することで、生産性向上ならびにコスト削減に貢献する。

 日立と日本IBMは、2024年9月より、アマゾン ウェブ サービス ジャパン (以下、AWSジャパン)と3社で、地域金融機関の課題解決による価値向上と地域創生の実現に向けて、DX推進に関する共創検討(※4)を開始しており、今回の融資DXサービスの機能拡大は共創の一環となる。

※1 日立:金融機関向け融資DX推進サービス

※2 独立した単位にアプリケーションを分割し、複数のサービスを連携させることで柔軟性や拡張性を向上させるソフトウェア開発手法。コンテナ技術をはじめとしたクラウドネイティブな技術を駆使して実装される

※3 日本IBM:「金融サービス向けデジタルサービス・プラットフォーム(DSP)

※4 日立ニュースリリース(2024年9月2日)「日立が、日本IBMおよびAWSと地域金融機関の価値向上と地域振興の実現に向けたDX領域での共創検討で合意

日本IBMニュースリリース(2024年9月2日)「日本IBM、日立およびAWSと地域金融機関の価値向上と地域振興の実現に向けたDX領域での共創検討で合意

連携の背景

 近年、金融機関を取り巻く市場の急激な変化や多様化する顧客ニーズなどに対応するため、DX推進が求められているが、地域金融機関ではベンダー間のシステム連携が難しく、スピーディかつ柔軟にサービス提供できないことが課題となっている。そのため、日立と日本IBMは、AWSジャパンとともに、ベンダー間で連携したシステムの全体最適化をめざしたDXを推進することを目的として、2024年9月より共創検討を行っている。

 金融機関の業務でも重要な役割を担う融資業務においては、契約書の電子化やウェブチャネルへのシフトなどのDX化が急務であり、日立はそのようなニーズを受け、2023年7月から融資DXサービスの提供を開始し、金融機関15行が融資DXサービスを採用している。しかしながら、融資審査・契約・実行などの融資業務プロセスにおいては、勘定系システムとの連携が必要なためDX化が難しく、金融機関では従来型の業務フロー(端末オペレーション、紙媒体)で個別に対応している。このため、金融機関が業務効率化や生産性向上を進めるにあたっての課題となっていた。

 また、これまで金融機関では、各種チャネルシステムや外部ソリューションと基幹系の勘定系システムが密接に結びついており、新たなサービスを追加する際に勘定系システムの改修が必要なため、タイムリーなサービス提供の阻害要因となっていた。

 そこで日本IBMは、金融機関の各種チャネルシステムや外部ソリューションと、勘定系システムそれぞれの独立性を確保し依存関係を縮小することを目的に、DXの加速、勘定系システム改修範囲の縮小、ベンダーフリーなアプリケーションの導入を可能にするDSPの提供を2020年から開始し、現在約40の金融機関がDSPを採用している。

 今回、日立と日本IBMは、両社におけるそれぞれの強みを融合し、融資DXサービスとDSPとの連携により、融資業務における課題解決に着手した。これによりAWSのクラウドサービス上で、勘定系システムとのスピーディで容易な連携を可能とする日本IBMのDSPを活用することで、勘定系照会や融資取引のプロセスがシステム上でつながり、融資取引業務がワンフロー化され、効率化を後押しする。

機能拡大の特徴

1.融資取引業務のワンフロー化をサポート

 融資DXサービスでは、これまで電子契約やウェブチャネルへのシフトなど一連の業務を、周辺システムと連携することでDX化を実現してきた。今回の機能拡大により、勘定系システム内にデータが存在する顧客情報や与信などの照会に関する業務フローについては、融資DXサービスとDSPが連携することで、リアルタイムでのデータ照会が可能となる。これにより、従来行っていた金融機関側からの個別対応を省略し、融資DXサービスと勘定系システムが連携し、融資業務をワンフロー化して効率化することで、生産性向上ならびにコスト削減を図る。

2.クラウド提供により、容易な導入と柔軟な拡張性を後押しする

 今回の機能拡大により、融資DXサービスとDSPがAWSのクラウドサービス上で連携することで、クラウドでの共通サービスとして取引メニューや提供サービスが拡張され、各金融機関は自行ニーズにあわせたサービスを選択することができ、柔軟な拡張性が可能になる。これにより、金融機関は計画的なDX化の推進によるスピーディなサービス提供が容易になる。

今後の取り組み

 日立と日本IBMは、融資申込事務の効率化に加えて、融資DXサービスとDSPの連携による広範囲な融資業務のDX変革に継続して取り組んでいく。主なDX変革テーマとして、「ペーパーレス化対象範囲の拡大」「生成AIの広域活用」「ステークホルダーとのデジタル接続」を想定。とくに生成AIに関しては、融資契約書の自動生成などへの適用を検討する。

 また、融資業務で発生する事務や審査、郵送物、関係各社とのやり取りの生産性改善やコスト削減にも全方位に取り組むことで、地域金融機関における融資ビジネスの収益性向上に貢献する。

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