LINEヤフーが提供する、LINEヤフーのさまざまなサービスから得られる行動ビッグデータを分析できる事業者向けサービス「ヤフー・データソリューション」は、ハラスメントに関連する検索ビッグデータを分析したレポート「『○○ハラスメント』を調べてみたら、時代の変遷まで見えてきた話」を公開した。
2023年のハラスメント関連検索は2014年の3倍以上に
Yahoo!検索のビッグデータから2014年から2024年5月までの「○○ハラスメント(とは)」の検索数推移を見たところ、2014年と比較して2023年は3倍以上に増加していることがわかった。また2024年も、5月末時点ですでに検索数は2023年と同程度の水準に近づいており、ハラスメントに対する関心が年々高まっていることがうかがえる。
ほとんどの年で共通するのは「モラハラ」「パワハラ」「セクハラ」「アカハラ」「スメハラ」
「○○ハラスメント(とは)」「○○ハラ(とは)」を集計対象とし、各年の上位10キーワードを抽出したところ、ほとんどの年で共通して検索されていたハラスメント関連のキーワードは「モラハラ(モラルハラスメント)」、「パワハラ(パワーハラスメント)」、「セクハラ(セクシャルハラスメント)」「アカハラ(アカデミックハラスメント)」「スメハラ(スメルハラスメント)」だった。
一時的に検索されたのは「マタハラ」「パタハラ」、「カスハラ」は2018年からランク入り
一方で、数年間のみ検索されて以降、あまり検索されなくなったキーワードも存在した。妊娠中や出産後の女性への不当な扱いを表す「マタハラ(マタニティハラスメント)」は2014年から2017年まではよく検索されていたが、2018年以降は上位10キーワードには入らなかった。同じく育児参加をする父親への不当な扱いを表す「パタハラ(パタニティハラスメント)」は2017年と2019年のみランクインした。
「マタハラ」「パタハラ」という言葉の出現によって問題が顕在化し、社会的な認知や対応が進んだ結果、解決に向かっているために検索数が減少した可能性がある。
また、「カスハラ(カスタマーハラスメント)」は2018年から急上昇し、2024年は「モラハラ」に次いで2位となっており、現在も関心を集めていることがわかる。
特定の年にのみ見られるユニークなハラスメント
特定の年にのみ上位にランクインしたキーワードもいくつか存在した。たとえば「家事ハラ(家事ハラスメント)」は家事に関するダメ出しなど相手を不快にさせる行為を指し、「時短ハラスメント」は労働時間短縮を強制する行為を表す。また、「キメハラ(鬼滅の刃ハラスメント)」は『鬼滅の刃』の話題を強制する行為を意味し、その年の流行や社会を反映していることが見て取れる。
- 家事ハラ(家事ハラスメント):家事に関するダメ出しなど相手を不快にさせる行為
- オワハラ(就活終われハラスメント):就職活動において、企業が学生に他の企業の内定を辞退するよう圧力をかける行為
- ヌーハラ(ヌードルハラスメント):音を立てて麺類を食べる行為に対する嫌悪感
- 時短ハラスメント:労働時間短縮を強制する行為
- キメハラ(鬼滅の刃ハラスメント):『鬼滅の刃』の話題を強制する行為
- ワクハラ(ワクチンハラスメント):コロナウイルスのワクチン接種に関する圧力や強制
- マルハラ(マルハラスメント):メッセージで文末が「。」で終わることによる威圧感
- 大谷ハラスメント:大谷翔平選手に関する過度な話題への嫌悪感